フィリピンの非金属鉱物と骨材 ── 石灰石・セメント・砂利・海砂・大理石
0. 最初に読む3分サマリー
フィリピンの鉱業というとニッケル・金・銅の話になりがちだが、実際に国内経済・地方政治・汚職構造に最も深く食い込んでいるのは非金属鉱物と骨材(aggregates)の側である。
| 論点 | 2026年8月時点の状況 |
|---|---|
| 石灰石・セメント | 国内能力は過剰。輸入(ベトナム・中国・インドネシア)にセーフガード+反ダンピング税が二重にかかる |
| 業界地図 | 2026年8月2日、Holcim がフィリピン事業を中国・華新水泥(Huaxin)へ売却合意。業界地図が塗り替わる |
| 骨材・砂利 | 許認可権は原則「州知事」。地方政治と癒着しやすい構造 |
| 河川砂利/浚渫 | 治水事業汚職(flood control scandal)と直結。2025〜2026年の最大の政治テーマ |
| 海砂・黒砂 | 浚渫(dredging)が事実上の磁鉄鉱砂採取の隠れ蓑という指摘。中国資本の関与 |
| 需要 | 2026年Q2、政府建設 −32.4%(PSA)。骨材・セメント需要は減退局面 |
1. 注 最初に押さえる用語 ── 「埋蔵量」と「資源量」は別物
地下資源の記事でいちばん事故が起きるのがここ。
| 用語 | 英語 | 意味 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 資源量 | resources | 地質学的に存在が示唆される総量。経済性は問わない | 数字が桁違いに大きくなる |
| 埋蔵量 | reserves | 現時点の技術・価格で採掘して採算が合う部分 | 資源量の一部 |
| 賦存量 | occurrence / in-situ | 単に「そこにある」量 | 最も緩い概念 |
フィリピン統計庁(PSA)の環境・天然資源勘定(PEENRA)系の集計では、石灰石(limestone)は資源量 約586.6億トン、埋蔵量 約23.1億トンとされ、資源量が最大なのは第VIII地域(東ビサヤ)、埋蔵量が最大なのは第VII地域(中部ビサヤ)とされる(PSA/MGB系資料)。同じ「石灰石」でも資源量と埋蔵量で25倍以上の差が出る。
注 ネット上には「石灰石の埋蔵量290億トン、非金属埋蔵量の57%」「大理石85億トン、16.7%」という数字が広く流通しているが、これは出典・基準年が不明確な二次情報である。PSA系の数字(586.6億/23.1億)とは整合しない。どちらを引用するかで話が変わるので、必ず「資源量か埋蔵量か」「出典はどこか」を明示すること。
注 さらに重要な点として、フィリピンの非金属鉱物・骨材の数字は、JORC や NI 43-101 のような国際的報告基準に基づく開示ではなく、政府(MGB)の推計や事業者申告に基づくものがほとんどである。上場鉱山会社の金属資源のように第三者検証された数字ではない。「世界第◯位」という業界側の主張を見たら、何の指標(生産量か、埋蔵量か、輸入量か)での順位かを必ず確認すること。裏が取れないものは「未確認」と書くのが安全。
2. 非金属鉱物の全体像
2.1 稼働鉱山数
MGB「Minerals Industry at a Glance」(2024年12月時点/2025年4月更新版)による稼働非金属鉱山 59か所の内訳:
| 種別 | か所 |
|---|---|
| 石灰石(limestone) | 29 |
| 玄武岩・骨材(basalt/aggregates) | 14 |
| 大理石化石灰石(marbleized limestone) | 5 |
| シリカ | 4 |
| ペルライト | 2 |
| シェール/ドロマイト/砂利/火山凝灰岩/ゼオライト・ベントナイト | 各1 |
同時期の稼働金属鉱山は58か所(ニッケル36、金11、クロム4、鉄4、銅3)。数の上では非金属が金属を上回る。なお別集計では2024年について「金属60・非金属61、雇用約291,672人」とする数字もあり、集計時点により変動する。
注 この「59か所」はMGBが把握する中〜大規模の許可鉱山であり、州知事が発行する小規模な砂利採取許可(sand and gravel permit)は含まれない。第I地域(イロコス)だけで砂利の許可保有者が 339件、第II地域(カガヤン・バレー)のCY2020集計では 873件にのぼる(MGB地方事務所「Summary of Operating Mines & Quarries」)。実態の大半は統計の外側にある。
2.2 生産額の規模感
- 2024年:鉱業総生産額 約3,162.9億ペソ、鉱物輸出 約73.8億米ドル(MGB)
- 2025年1〜9月:金属鉱物生産額 2,197.4億ペソ(前年同期1,914.2億ペソ、+14.8%/MGB暫定値)
- 非金属の全国CY2025確報は、2026年8月時点で未公表(地方局のみ先行公表)。注 未確認
地方レベルの実額例(MGB第I地域、CY2024):非金属合計 17億8,541万ペソ。うち砂利 2,378,527.53 m³=4億7,570万ペソ、石灰石 1,620,254.87トン=4億1,281万ペソ、シェール 793,244.81トン=1億2,617万ペソ、シリカ 945.6万ペソ、ゼオライト 443.9万ペソ。一地域の非金属売上の27%が「砂利」という構成は覚えておく価値がある。
3. 石灰石とセメント産業
3.1 業界構造(2026年8月時点)
| 企業 | 資本 | 主な拠点/能力 | 2025〜2026年の動き |
|---|---|---|---|
| Republic Cement(Republic Cement & Building Materials) | アイルランド CRH + Aboitiz Equity Ventures の合弁 | 工場5+粉砕所1、能力 年970万トン(CRH開示) | 2025年8月、低炭素セメントを首都圏インフラ向けに投入 |
| Holcim Philippines | スイス Holcim(2023年PSE上場廃止) | ブラカン、ラユニオン、ミサミス・オリエンタル等 | 2026年8月2日、中国・華新水泥(Huaxin)への売却契約に合意(後述) |
| Concreat Holdings Philippines(CHP)(旧 Cemex Holdings Philippines) | メキシコ Cemex → Consunji系(DMCI)へ移行 | Solid Cement(アンティポロ)+ Apo Cement(セブ・ナガ)、合計 年570万トン | アンティポロ新ライン稼働で同工場 190万→340万トン。2025年に純損失19億ペソ |
| Eagle Cement(San Miguel 傘下 SMC Equivest/SMEII) | フィリピン San Miguel | ブラカン州サンイルデフォンソ。SMC系3社(Eagle/San Miguel Cement/Northern Cement)で 約900万トン | 2025年7月、ブラカンに新粉砕設備 |
| Taiheiyo Cement Philippines(TCPI) | 日本・太平洋セメントの現地法人 | セブ州サンフェルナンド | 2024年7月18日、約128億ペソ投資の生産ライン更新が竣工、能力+40%の年約300万トン。2026年、バタンガス州カラカに年70万トン供給のセメントターミナル(投資額 約100億円)稼働予定。2030年以降に年販500万トン・シェア10%を目標 |
| Northern Cement/Goodfound Cement/Big Boss Cement 等 | 台湾資本ほか | 各地 | ─ |
業界団体 CeMAP(Cement Manufacturers Association of the Philippines)の現会員は Concreat、Holcim Philippines、Republic Cement、Taiheiyo Cement Philippines、Goodfound Cement(同協会サイト)。注 San Miguel系(Eagle Cement)はこの会員リストに載っていない点に注意。「業界団体の声=業界全体の声」ではない。
3.2 2026年の最大ニュース:Holcim の撤退と中国資本の参入
2026年8月2日、Holcim(本社ツーク)はフィリピン事業の売却契約を発表。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 買い手 | 中国・武漢拠点の 華新水泥(Huaxin Building Materials) |
| 第一段階 | 持分 67.623% を 5億2,700万米ドルで売却 |
| 残り約31% | 3〜5年以内に退出、最低価格 2億8,000万米ドルを保証 |
| 全体評価額 | 約8億700万米ドル |
| クロージング | 過半数持分は 2027年上半期見込み(規制当局承認が条件) |
2019年には San Miguel が21.5億米ドルでHolcim比のフィリピン事業買収を試みて頓挫した経緯があり、今回は約8億米ドル。注 単純比較はできない(対象範囲・時点・為替が異なる)が、評価額の縮小は業界の収益環境を反映していると読める。西フィリピン海情勢が緊張する中で基幹建材産業に中国資本が入ることの政治的インパクトは、今後の重要な観察点。
3.3 セメント輸入とダンピング防止措置 ── 経緯と2026年
フィリピンは石灰石資源が豊富で国内能力も過剰なのに、セメント輸入大国という一見矛盾した状態にある。CeMAPによれば国内能力は2014年の2,700万トンから2024年に5,000万トン(別資料では約5,300万トン)へ倍増した一方、需要は3,000万トン台半ば。稼働率は5〜6割にとどまる。それでも輸入は2023年に約700万トン、2025年に約602万トン、2026年Q1に 129万トン(DTI/Global Cement)。
(1)反ダンピング税(ベトナム限定・企業別)
- Republic Cement、Cemex系(Solid Cement/Apo Cement)、Holcim Philippines が申立て
- 2023年に確定、5年間適用
- 2026年7月、DTIは Administrative Order No. 26-05 で NCL Trading の異議申立てを却下し、関税委員会(Tariff Commission)の判断(5年間維持)を支持
- 企業別税率:NCL Trading 2%(0.82米ドル/トン)、Vissai Ninh Binh 10%(4.03米ドル/トン)、その他ベトナム輸出者は最大 23%
- 論理:輸入は減ったが「ダンピングは相当量続いており、撤廃すれば撤退した輸出者が再開する」
(2)セーフガード(原産国を問わない)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年2月 | 暫定セーフガード(現金保証金)6.95米ドル/トン=0.28米ドル/40kg袋 |
| 2025年10月 | 関税委員会が「輸入増と国内産業の重大な損害の因果関係」を認定、DAO 25-15 で 3年間の確定措置 |
| 2026年2月18日 | 関税局(BOC)の通達で実施開始。40kg袋あたり14ペソ=349ペソ/トン(約6.05米ドル/トン)、対象は普通ポルトランドセメント Type 1 と混合セメント |
| 2026年5月 | DAO 26-03 で、除外国リストから中国とインドネシアを削除。両国の輸入シェアが除外基準(総輸入量の3%)を超えたため |
輸入シェアの推移(DTI)
| 原産国 | 2025年 | 2026年Q1 |
|---|---|---|
| ベトナム | 79% | 63% |
| 中国 | 11% | 23% |
| インドネシア | 6% | 8% |
注 ここが「知らないと間違える点」:反ダンピング税とセーフガードは別制度で、同時に課される。ベトナム産には両方かかりうる。またセーフガードは「3%未満のシェアの国は除外」という動的な仕組みなので、除外国リストは毎年変わる。調達計画を立てる際は DTI の最新 DAO と BOC 通達の両方を確認する必要がある。
なお「フィリピンは2024年にポルトランドセメントの世界第5位の輸入国」という記述が業界メディアにあるが、これは輸入量ベースの順位であり、生産量や埋蔵量の順位ではない。混同注意。
3.4 競争法:セメント・カルテル調査が2026年に決着
- 2017年、元DTI次官 Victorio Dimagiba の申立てを端緒にフィリピン競争委員会(PCC)が調査開始
- 対象:CeMAP および Cemex Holdings Philippines、Holcim Philippines、Republic Cement、Taiheiyo Cement Philippines(フィリピン競争法 第14条・第15条の疑い)
- 2026年6月3日報道:各社が同法 第37条(c) の 同意命令(Consent Order) で決着。制裁金 4,000万ペソ(約71万米ドル)は PCC 史上最大。コンプライアンス体制強化・社内規程見直し・競争法研修が条件で、違反すれば再開もありうる(MLex報道/PCC決定文書)
3.5 価格
- 2026年3月15日以降、Concreat(DMCI系)が段階的値上げ。1袋あたり計 20〜30ペソ(約10%)、10ペソずつのフェーズ。Consunji氏いわく「燃料が2ペソ上がるとセメントは1ペソ上がる」
- PSA 建設資材卸売価格指数(CMWPI、2026年3月):セメントは前年比 −1.5%(2月 −2.3%)、砂利 +1.6%(2月 0%)、コンクリート製品 +2.2%、燃料・潤滑油 +7.9%
- 注 指数と実勢価格はズレる。指数上はセメント下落でも、店頭は40kg袋 240〜280ペソ(2026年首都圏の小売リスト例)。見積りは指数ではなくサプライヤー実勢見積りで行うこと
4. 骨材(砂利・砕石)と砂採取 ── 地方政治の構造
4.1 注 許認可権は「州知事」にある
これがフィリピンの骨材ビジネスを理解する最重要ポイント。金属鉱業がDENR/MGBの中央管轄なのに対し、砂利・砕石は地方自治体(特に州)が握る。
| 許可の種類 | 発行主体 | 用途 |
|---|---|---|
| Commercial Sand and Gravel Permit | 州知事(州議会条例に基づく) | 商業販売目的の採取 |
| Industrial Sand and Gravel Permit | 州政府 / 大規模はMGB | 自社工事・自社使用向け |
| Gratuitous Permit | 州・地方政府 | 非商業・限定量 |
| Government Gratuitous Permit | 州/国の機関 | 公共事業向け |
| Special (Quarry) Permit | DENR / 州政府 | 特殊資材・浚渫・災害対応 |
| Small-Scale Quarry Permit | 市町村 | 小規模・community-based |
| Dredging / Desilting Authority | DPWH/州/DENR | 河川浚渫に伴う砂利発生 |
一般に、5ヘクタール以下の商業砂利採取は州知事、それを超える工業用規模はMGBという線引きで運用される。バランガイは「バランガイ・クリアランス」を出すが、バランガイ・クリアランスだけでは採取の権原にならない(よくある誤解)。ほかに DENR-EMB(環境適合証明書 ECC)、市町村長(事業許可・ゾーニング)、保護区管理委員会(PAMB)、先住民族の場合は NCIP の FPIC が絡む。
4.2 税の分配 ── 政治的インセンティブの源泉
地方自治法(RA 7160)第138条(注2026-08-26 改正確認:RA 12001(RPVARA、2024年6月13日承認)第38条が、RA 7160 第138条を「抵触する限りで(insofar as they are inconsistent)」改正している。同条は RA 7160 の第19条・第135条(a)・第138条・第201条・第218条・第220条・第472条(b)(8)を改正し、第199条(e)(g)(o)・第212条・第219条を廃止した。したがって以下の税率・配分は LawPhil 掲載の RA 7160 制定時原文によるものであり、RPVARA の評価基準〈市場価値表 SMV〉との抵触部分は現行法ではない可能性がある。実務では所在州の条例と BLGF 通達で確認すること。出典:LawPhil ra_12001_2024.html 第38条原文):
- 州は、公有地または海・湖・河川・小川など公共水域の底から採取される石・砂・砂利・土砂等について、産地時価の最大10%/m³ を課税できる
- 許可発行は州知事の専権(州議会条例に基づく)
- 収入配分:州30% / 市町村30% / 採取地バランガイ40%
注 重要な限界:最高裁 Province of Bulacan v. Court of Appeals により、私有地から採取された砂利等に州は課税できない(内国歳入法で既に物品税の対象であるため、第133条の制限にかかる)。この判例を知らずに「州に払え」と言われて二重に払う例がある。
この「40%がバランガイに落ちる」構造こそが、地方政治家が砂利利権に群がる直接的な理由である。ただし逆に、パンガシナン州のギコ知事(Ramon Guico III)は「採石が州にもたらすのは年間わずか1,200万ペソ」と述べており(Inquirer)、正規の税収は小さく、その外側の非公式な収入が本体であることを示唆している。
4.3 違法採掘と政治の癒着 ── 2025〜2026年の具体例
| 時期 | 地域 | 内容 |
|---|---|---|
| 2025年7月31日 | ラナオ・デル・スル | Adiong知事が Executive Order 008, s.2025 に署名、9月1日付で知事室の許可なき鉱物採取・大規模砂利採取を全面停止 |
| 2025年11月 | カピス | 山地採石(mountain quarrying)を停止。台風 Tino によるセブ・ネグロスの鉄砲水と山地採石の関連を理由に挙げた(商業砂利採取は対象外) |
| 2026年6月〜7月 | イロイロ州ミアガオ | Garin町長ほか3名がオンブズマンに告発。RA 3019(反汚職法)第3条(e)、および RA 7942(鉱業法)第103条(無許可採取)違反。Tumagbok川から採取した材をDPWHの治水事業に投入したとされ、採取地点は Tumagbok 橋から 100〜189m。州条例は「橋から1km以内の採石禁止」 |
ミアガオの事案は、違法採取 → 治水事業 → 汚職という三点が一本の線でつながった、2026年時点で最も分かりやすいケーススタディである。
4.4 河川砂利採取と洪水リスク ── 治水事業汚職への接続
因果の筋道(注ここを理解しないと報道が読めない):
- 過剰な河床採取 → 河床低下・河岸不安定化・橋脚洗掘 → 洪水・護岸崩壊リスク増
- → 「治水事業が必要だ」という需要が生まれる
- → 治水予算が地方に流れる
- → その工事の骨材を、また同じ川から(時に無許可で)採る
- → 1に戻る
過去の実例として、パンパンガ州サコビア川では 1999年の推奨浚渫量470万m³に対し、実際には1,200万m³超が採取されたとMGBが確認(2017年、Pineda知事)。推奨量の約3倍である。
治水事業汚職(flood control scandal)の規模(2025〜2026年):
- 2016〜2025年の治水・防災予算が、DPWH技官、無免許業者、業者出身の国会議員、元公共事業長官の親族、監査委員会(COA)委員らによって流用されたとされる
- 財務長官 Ralph Recto は上院で、2023〜2025年の「ゴースト治水事業」による経済損失を 423億〜1,185億ペソ(雇用換算 95,000〜266,000人分)と説明
- 2022年時点で、国会議員67名が自らの国費事業の公共事業請負業者だった
- 2025年9月、独立インフラ委員会(ICI)設置。上院議員2名、下院議員2名、DPWH技官1名、COA委員1名の訴追を勧告
- 2025年11月:オンブズマンが東ミンドロ案件で立件、サンディガンバヤンが16名に逮捕状。2026年1〜2月に公判前手続
- 2025年9月21日、「Baha sa Luneta(ルネタの洪水)」と称する大規模抗議デモ
結果として、2026年に骨材・セメントの需要が落ち込んでいる最大の理由は「汚職摘発による公共工事の停止」である(第8章)。
5. 海砂採取(sea sand/黒砂)とマニラ湾
5.1 マニラ湾の埋立てと浚渫
- 2023年8月、マルコス政権はマニラ湾の埋立て事業を全面停止。DENRによれば対象は首都圏+カビテの 22件。ただし停止前に「工事中」だったのは首都圏の3件のみ
- その後 パサイ(SMの390ha案件を含む)と バコオール は「適合」として再開。注 モラトリアムは名目上継続しつつ、フィリピン埋立公社(PRA)が個別案件ベースで処理を続けているという中途半端な状態
- 2025年12月23日、教会団体・環境団体・漁民団体らがリサール公園〜CCP間の10件の埋立て計画中止を求める請願を大統領府に提出。2026年1月14日にイントラムロスのフォーラムで公表
埋立ての「土(fill material)」がどこから来るかが、この分野の核心。PRAはPCIJに対し、浚渫事業の事業者がマニラ湾の埋立て事業者に砂を販売していると説明している。つまり「河川浚渫(治水名目)」と「マニラ湾埋立て」は砂の供給網でつながっている。
DENR行政命令 2020-07:指定区域の浚渫費用は民間事業者が全額負担(政府資金を使わない)、技術・財務能力のある企業のみDPWHのクリアランスを申請できる。費用を出さない代わりに、事業者は浚渫した砂を売って回収するという設計であり、これが「過剰浚渫」のインセンティブになる。
5.2 マニラ湾「白砂ビーチ」=ドロマイト・ビーチ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実体 | 白砂ではなく粉砕したドロマイト(苦灰石=カルシウム・マグネシウム炭酸塩) |
| 産地 | セブ州アルコイ(Alcoy)/ダラゲーテ(Dalaguete)。Dolomite Mining Corp.(DMC)が 524.61ha のMPSA(2030年まで)を保有、Philippine Mining Service Corp.(PMSC)が加工 |
| 施工 | 2020年9月3日開始、ロハス通り沿い 500m。2020年9月19〜20日に一時開放、2022年10月に完成宣言 |
| 費用 | 注 報道により3億8,900万ペソ/3億4,900万ペソ/2,800万ペソと食い違う。政府側は「マニラ湾事業全体が3億8,900万ペソで、ドロマイト敷設分は2,800万ペソ」と説明。2021年に第2期として2億6,500万ペソ追加。単一の確定値はない |
| セブ側の反発 | 2020年9月8日、Garcia知事がDMC・PMSCに CDO(停止命令)。「MGB第7地域は搬出許可を出したが州にも町にも通知がなかった」「MPSA上、ドロマイトは輸出専用のはずで、マニラ湾向け人工砂への加工は認められていない」 |
| DENRの対応 | 2020年9月、Cimatu長官が両社を停止処分(サンゴ・水質・大気への影響調査のため) |
| 科学者の批判 | UP海洋科学研究所などが「マニラ湾の問題の本質は廃棄物・下水処理・マングローブ喪失であり、美化・養浜は優先事項ではない」。UPレジリエンス研究所 Lagmay 氏は「高潮・暴風時に白砂は流出する」 |
2025〜2026年の展開:
- 2025年5月、漁民・環境団体が最高裁にドロマイト投入差し止めを求めて提訴
- 2025年7月、MMDA の Artes 長官が「この事業が Faura/Remedios/Estero de San Antonio Abad の3つの主要排水吐口(drainage outfall)を塞ぎ、雨水が処理能力不足の下水処理場に迂回させられている」と指摘し、タフト通り周辺の洪水の一因と名指し
- 2025年11月、下院公会計委員会(Terry Ridon委員長)が調査に着手。11月17日の週に第1回公聴会。争点は「最高裁の継続的マンダマスとマニラ湾持続可能開発マスタープランに照らして、そもそも必要な事業だったのか」および排水吐口の状態。DENR、DEPDev、DPWH、MMDA、マニラ市が招致
- 注 公聴会の結論および撤去の可否については、2026年8月時点で確認できていない(未確認)
5.3 カガヤン・イロコスの海砂/黒砂(磁鉄鉱砂)
規模:MGBデータでは 2012〜2014年に 175万トンの磁鉄鉱(magnetite)を生産、すべてカガヤン州の沖合鉱区からで、全量が中国向け輸出、金額 4,160万米ドル(22.63億ペソ)。2022年6月時点で沖合磁鉄鉱のMPSAは 12件承認(カガヤン8、レイテ4)、合計 約50,502ha。環境団体はカガヤン〜イロコス〜サンバレスの北ルソン海岸に約20か所の磁鉄鉱採取活動があるとしている。
2025〜2026年の焦点:「砂採取」から「河川浚渫」へ
PCIJ(フィリピン調査報道センター)の 2026年6月16日調査報道が、この分野の決定版:
- カガヤン、イロコス、サンバレス、ミンドロの西海岸沿いで、かつての中国系企業による砂採取は、フィリピン企業による「河川浚渫」に置き換わった。ただしその一部は最近フィリピン国籍を取得した中国人が設立した会社である
- カガヤン川再生事業(Cagayan River Restoration Project、2021年開始)の実施者 Riverfront Construction Inc.(RCI) の代表は 2022年に帰化した中国国籍出身の Feng Li
- イロコス・スールのアブラ川(Abra River Restoration Project)は Isla Verde Mining and Development Corporation。同社株主の BBG Greenworld Resources Inc. は、カガヤンで黒砂・磁鉄鉱の採取許可を得た10社以上のうちの1社と同一の設立者を共有。2013年に中国系企業の一部は許可を取り消されたが、BBGは取り消されずアブルグで操業を継続
- PCIJは全国で 12件以上の大規模浚渫事業が「河川再生・治水」名目で実施されていると図示
- イロコス・ノルテのクリマオ(Currimao)が第1地域からの砂輸出の主要積出港として繰り返し登場。アブラ川河口から100km未満
政治面:
- 2024年11月、Raffy Tulfo 上院議員が「サンバレスから中国への黒砂の違法積出し」を指摘。「イロコス、カガヤン、サンバレスで掘った砂が本当にマニラ湾に行っているとDENRはどう検証するのか」「サンバレスから中国へ直行する船のリストがある」
- 2025年5月、国家情報調整庁(NICA)副長官 Ashley Acedillo が上院で「マニラ湾等の砂が中国の南シナ海人工島の埋立材になった可能性」と証言。マルコス大統領が全面調査を指示
- 2025年5月、Brosas/Castro/Manuel 各下院議員がカガヤン川再生事業の調査を要求。アパリの漁民の日収が 7,000〜9,000ペソから900ペソに落ちたと主張
規制と法案:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現行モラトリアム | 2022年5月 DENR行政命令 171-2022。海底採石(seabed quarry)と特別探査許可の新規申請受付を停止。大統領の別途指示があるまで継続 |
| 立入禁止距離 | 沖合は平均干潮線から 500m以内、陸域は 200m以内。海底・海洋骨材採石は、平均干潮線から 1,500m未満かつ水深30m未満の海域が禁止 |
| 法案 | House Bill 1843(Anti-Black Sand Mining法案、de Lima議員)。沿岸・河口域の黒砂採取禁止、黒砂を含む浚渫土の利用禁止、懲役6〜12年+罰金100万〜1,000万ペソ、公務員は最高刑+公職永久剥奪。浚渫許可申請者にMGBの「黒砂・磁鉄鉱の有無」証明を義務づけ |
| 過去の失敗 | House Bill 10618(黒砂の原鉱輸出禁止)は 2021年に不成立 |
注 2026年8月時点で、黒砂採取を全面禁止する法律は成立していない(未確認ではなく、未成立)。 規制の実体は DAO 171-2022 の新規申請停止と、地方自治体レベルの停止命令にとどまる。
6. 大理石(ロンブロン島)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | ロンブロン州=「フィリピンの大理石の首都(Marble Capital of the Philippines)」。同州が国内供給の約80%を占めるとされる |
| 資源量 | MGBによれば 1億5,000万トン(注 resources か reserves か明示されていない二次情報。現在の採掘ペースなら「あと300年」との解説あり) |
| 主要産地 | ロンブロン島北部、アラド島(Alad)、コブラドール島(Cobrador) |
| 色 | 白・緑・ピンク・赤・黒 |
| 製品 | ①ノベルティ(土産物・灰皿・テーブルバー)②家具(食卓、洗礼盤)③建材(タイル、手すり子、マーブルチップ) |
| 輸出先 | 日本、中国、米国 |
| 2025年の政策 | DOST-MIMAROPA × UP Diliman が「ロンブロン大理石産業ロードマップ」(10年計画)を策定中。2024年から作業、2025年4月7日に草案レビュー会合。ロンブロン出身の Solidum 科学技術長官が主導。Marble Industry Strategy Council の設置が柱 |
| 課題 | 労働者の高齢化、設備の老朽化、安価な輸入品との競合、採石による土壌汚染 |
注 順位の注意:「ロンブロンが国内供給の80%」という記述がある一方、「統計上はブラカン州に次ぐ第2位の州別生産地」とする資料もある。「大理石」と「大理石化石灰石(marbleized limestone、セメント原料・建材用)」で統計上の区分が異なるため、順位の議論は前提の確認が必須。2026年1月にPSAへ2019〜2025年の大理石生産量・金額を求めるFOI請求が出されていること自体が、公開統計が整っていないことの傍証である。
7. 粘土・シリカ砂・リン鉱石・塩
7.1 MGBの分類(これを知らないと統計が読めない)
| 区分 | 含まれるもの |
|---|---|
| 肥料鉱物 | グアノ、リン鉱石、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、泥炭、黄鉄鉱、硫黄 |
| 工業・製造用鉱物 | アスベスト、長石、滑石、重晶石、石膏、セメント原料、ベントナイト、セラミック原料、粘土、耐火原料、珪藻土、ペルライト、ゼオライト、ドロマイト、シリカ |
| 構造・建築材料 | 大理石、軽石、岩石骨材、ロックアスファルト、砂利、火山凝灰岩 |
| 宝石・装飾材 | ─ |
注 ドロマイトと石灰石は「肥料鉱物」にも「工業用鉱物」にも出てくる。統計を足し算するときは二重計上に注意。
7.2 シリカ砂
- シリカ生産は 2010年 247,876.8トン → 2019年 1,004,115.6トン と約4倍(PSA系)
- 市場規模は 2025年 1億1,819万米ドル、2034年 1億5,780万米ドル(CAGR 3.26%、2026〜2034/IMARC Group)
- フィリピンはシリカ砂の純輸入国(輸出より輸入が大幅に多い)。ガラス製造能力の拡大とルソンへの集中が背景(同)
- 構造変化:河川砂の採取規制強化により、建設用途が川砂 → 加工シリカ砂へシフトしつつある
7.3 リン鉱石・グアノ
- Philphos(Philippine Phosphate Fertilizer Corporation、レイテ州イサベル):ASEAN最大級のリン酸肥料メーカー、能力年約117万トン。425haのレイテ工業団地(LIDE)内に116ha。硫酸プラント2基、リン酸プラント、造粒プラント、硫安プラント
- 注 Philphos は原料のリン鉱石・硫黄・アンモニアを全量輸入している。国産リン鉱石を使っているわけではない。 これは非常に間違えられやすい点
- 2013年の台風ヨランダで甚大な被害、2021年頃に全面再稼働。2025年4月〜2026年3月の輸入額 4,630万米ドル/輸出額 824万米ドル
- 資本:Zamora グループ(2015年時点で約70%)、ナウル共和国が約30%
- 国内のリン鉱石・グアノは、USGS集計では生産が断続的・ほぼ休眠状態。2019年にリン鉱石生産は前年比 −40%、2022年に生産再開
7.4 粘土・ベントナイト・ペルライト・ゼオライト
USGS Minerals Yearbook による変動(極めてボラティリティが高い):
- 2019年:ゼオライト +45%、ベントナイト +39%、砕石(その他)+21%、石灰 +11%、ペルライト −32%
- 2022年:ペルライト +437%、ベントナイト +273%、カオリン +75%、ゼオライト +57%、シェール +47%、粘土(分類不明)+31%
注 基数が小さいため%の振れが大きい。「◯倍に増えた」という記述は絶対量を確認しないと意味がない。
7.5 岩塩・海塩
フィリピンは塩の97〜93%を輸入という異常な状態にある。
| 項目 | 数値・出典 |
|---|---|
| 1990年 | 国内生産が需要の約85%を充足(ブラカン、パンガシナン、西ミンドロ、カビテ、ラスピニャス) |
| 現在 | 需要の約93%を輸入(豪州・中国から)。年間輸入量 約55万トン(農業省) |
| 法律 | RA 11985「フィリピン塩産業開発法」(2024年3月11日、マルコス大統領署名、全23頁)。5年ロードマップ、Salt Council 設置、公有地・市町村水域の塩生産地指定、未加工・加工とも塩は全税目を免税、輸入塩の関税収入をBFARの支援原資に充当 |
| 2026年上半期生産 | 199,293トン(手工・天日・調理塩の合計、BFAR)=「20万トンに迫る」水準。BFAR の DSIP(塩産業開発事業)の成果とされる |
| パンガシナン | 州営 Bolinao 塩センター(バランガイ・サラゴサ、約5,000万ペソ)が2025年に8,000トンを目標。Dasol町が州内最大で2021年に24,000トン(州計 64,156.36トンの37.4%)、ボリナオが12,240トンで2位 |
| 課題 | 2025年7月の台風エモン(Co-may)で被害。Bolinao の473ha 州営塩田で約1万トンが売れ残り。フィリピン・ココナッツ庁(PCA)がココヤシ肥料用に農業用塩を買い上げて下支え |
| 統計整備 | 2026年5月、PSA理事会が改訂 PSIC を承認し、塩関連に5つの新サブクラスを新設。2026年6月2日、水産養殖分科会(塩小委員会)がRA 11985の継続実施に向けた勧告を採択 |
塩は「鉱物」と「水産・農業」の境界にあり、主管はDENR/MGBではなく農業省BFAR。この所管の違いは実務上とても重要。
8. 2026年の建設不振と工業用鉱物需要
8.1 マクロの数字
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 実質GDP成長率 2026年Q1 | 2.8% | PSA |
| 実質GDP成長率 2026年Q2 | 2.3%(前年同期5.5%)コロナ期を除けば2009年Q4以来の低さ | PSA |
| 2026年上半期平均 | 2.6%。通年目標3.5〜4.5%達成には下半期4.4%が必要(Balisacan長官) | PSA/NEDA系 |
| 総資本形成 2026年Q2 | −9.2% | PSA |
| 総固定資本形成 2026年Q2 | −13.7%(コロナ期を除けば2011年Q2以来の最悪) | PSA |
| 政府建設 2026年Q2 | −32.4% | PSA |
| 工業部門 2026年Q2 | −2.4%(製造業はプラス維持) | PSA |
| 世界銀行の2026年通年見通し | 3.7%(従前4.4%、当初5.3%から下方修正)、固定投資 −0.5% | World Bank |
注 2026年Q1の建設業は16産業中最速の前期比+3.1%だった。Q1→Q2で急反転しており、四半期データだけを見ると判断を誤る。
8.2 セメント需要の推移(CeMAP会長 Reinier Dizon の発言を時系列で)
| 時期 | 発言 |
|---|---|
| 2025年11月 | 「7月に大統領が治水汚職を公表して以降、需要が軟化。政府インフラは消費の30〜40%を占め、その部分で5〜10%減。2026年Q1も低調で、意味のある成長はQ2以降」 |
| 2026年1月 | 「慎重ながら楽観。伸びてほしいが、今はまだ見えていない」 |
| 2026年5月 | 「2〜4月の建設繁忙期でさえ需要増が見られない。年末には一桁のマイナスになる可能性。せめて横ばいを期待」 |
DPWH予算が核心:2026年のDPWH予算は 5,296億ペソで、前年の 1兆1,000億ペソから半分以下に削減された。汚職対策・透明性確保の一環。Dizon 氏は「DPWHは人を入れ替え、審査も厳しくなった」と述べている。2025年Q4のセメント需要は前年比 −3%。
因果連鎖のまとめ:治水事業汚職の摘発 → DPWH予算半減+事業停止・審査厳格化・業者免許遅延 → 公共建設 −32.4%(Q2)→ セメント・骨材需要の減退 → 国内セメント業界の稼働率さらに低下 → 輸入への圧力が増し、セーフガード強化要求へ → Holcim の撤退決断(2026年8月)にも影響した可能性。
8.3 骨材市場
- Philippines Construction Aggregates Market は 2026〜2032年に CAGR 8% の予測(6Wresearch)。注 ただしこれは民間調査会社の予測であり、2026年上半期の実績(政府建設 −32.4%)とは方向が逆。予測レポートの数字は実績と区別すること
- 制約要因:砕石・砂利のプレミアム価格が低コスト案件の予算を圧迫、砂利採取への環境規制が供給を制限
9. 注 知らないと間違える点(まとめ)
- 注 「埋蔵量」と「資源量」を混同しない。石灰石は資源量586.6億トン/埋蔵量23.1億トン(PSA系)と25倍以上違う。
- 注 フィリピンの非金属鉱物の数字は JORC / NI 43-101 準拠ではない。政府推計・事業者申告が中心。
- 注 「世界第5位のセメント輸入国」は輸入量の順位であり、生産・埋蔵の順位ではない。
- 注 反ダンピング税とセーフガードは併存する別制度。ベトナム産には両方かかりうる。
- 注 セーフガードの除外国リストは動的(総輸入量3%未満は除外)。2026年5月に中国・インドネシアが除外解除。最新のDAOとBOC通達を必ず確認。
- 注 CeMAPにSan Miguel(Eagle Cement)は入っていない。「業界団体の見解=業界全体」ではない。
- 注 砂利の許認可権は州知事。MGB・DENRの中央管轄ではない。バランガイ・クリアランスは権原ではない。
- 注 私有地から採取された砂利に州は課税できない(Province of Bulacan判例)。
- 注 マニラ湾の「白砂」は砂ではなくセブ産の粉砕ドロマイト。事業費は報道により2,800万/3億4,900万/3億8,900万ペソと食い違い、確定値がない。
- 注 「河川浚渫」と「砂採取」は制度上別物だが、実態は連続している。浚渫土がマニラ湾埋立てに売られている(PRAがPCIJに説明)。
- 注 Philphos は原料リン鉱石を全量輸入。国産リン資源の企業ではない。
- 注 塩の主管は農業省BFAR(DENR/MGBではない)。RA 11985 により塩は全税目免税。
- 注 2026年の需要減は景気循環ではなく、汚職摘発による公共工事停止という制度的要因。回復のタイミングは政治日程に左右される。
- 注 Holcim → Huaxin の売却は2027年上半期クロージング見込みで、まだ完了していない。規制当局の承認が条件。
10. 主な出典
- Mines and Geosciences Bureau(MGB)「Minerals Industry at a Glance」(2025年4月更新版)、各地方事務所「Mineral Production/Sales by Province, by Commodity」「Summary of Operating Mines & Quarries」
- Philippine Statistics Authority(PSA)国民経済計算(2026年Q2、2026年8月7日公表)、建設資材卸売価格指数(CMWPI)、PEENRA 鉱物勘定
- Department of Trade and Industry(DTI)DAO 25-15、DAO 26-03、AO 26-05/Bureau of Customs 通達(2026年2月18日)
- Holcim Ltd メディアリリース(2026年8月2日、Zug)
- Philippine Competition Commission(PCC)/MLex(2026年6月3日)
- Philippine Center for Investigative Journalism(PCIJ)2026年6月16日調査報道、2025年12月2日
- Republic Act 7160(地方自治法)第138条、Republic Act 7942(鉱業法)、Republic Act 11985(塩産業開発法)、DENR AO 171-2022、DENR AO 2020-07
- BFAR(2026年上半期塩生産)、DOST-MIMAROPA(ロンブロン大理石ロードマップ、2025年4月)
- CeMAP、Global Cement、Cemnet、Philstar、BusinessWorld、Inquirer、Manila Bulletin、Manila Times、BusinessMirror、Rappler、SunStar、World Bank、USGS Minerals Yearbook、IMARC Group、6Wresearch
- 太平洋セメント プレスリリース、NNA ASIA、日本経済新聞
注 本稿で「未確認」と記した項目(2025年通年の非金属生産額全国値、2025年11月の下院ドロマイト公聴会の結論、セブ州のドロマイト輸出禁止令の現在の効力、ロンブロン大理石の生産統計)は、2026年8月24日時点で一次情報が確認できなかったもの。