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金と投資・日本企業

情報基準日:2026-08-26 / 分野:地下資源

フィリピンの金鉱業は「産出量は減っているのに金額は激増している」という異常な状態にある。2026年1〜3月の金の生産量は前年同期比 −24.7%(5,850kg)なのに、生産額は +31.2%(537.8億ペソ)だった(MGB)。この乖離を理解しないと、この分野のニュースはすべて読み違える。 外資が金鉱山を100%持てる形態は FTAA だけである。MPSA は外資40%までであり、「フィリピンで金鉱山を買った」という話の実態はほぼ例外なくこの二択の話である。


1. まず用語 ── 埋蔵量・資源量・賦存量は全部ちがう

この主題で最も事故が多いのが用語である。日本語の「埋蔵量」という一語が、英語の全く異なる3つ以上の概念を潰してしまっている。

用語 英語 意味 誰が出す数字か
埋蔵量 Mineral Reserves 経済的に採掘可能と実証された量。採掘計画・回収率・コスト・金属価格の前提が全部入る 企業(JORC/NI 43-101 に基づく有資格者の署名が必要)
資源量 Mineral Resources 地質学的に存在が合理的に見込まれる量。経済性は保証されない 企業(同上)。Measured / Indicated / Inferred(推定)の3段階
賦存量・潜在量 Endowment / Potential 地質図と地球化学から推計した「たぶんこれくらい眠っている」。報告基準の外側 政府(MGB)、業界団体、コンサル
(中央銀行の)金準備 Gold Reserves 中央銀行が保有する金地金。地中の金とは無関係 中央銀行(BSP)、World Gold Council

同じ "reserves" という英単語が「可採埋蔵量」と「中央銀行の金準備」の両方を指す。 フィリピンの金をめぐる誤報の大半はここで起きている。

実例で見る違い(ディディピオ鉱山/Didipio Mine)

数字 内容
NI 43-101 に基づく埋蔵量 2026年3月27日提出の技術報告書(有効日 2025年12月31日)。金価格 1オンス=2,200ドルという前提で算定され、推定資源量(Inferred Resources)と探鉱の上振れは一切含めない(OceanaGold)
その結果 鉱山寿命が2035年→2037年に延長(2026年3月、OceanaGold Philippines の PSE 開示)

注目すべきは「金価格2,200ドル前提」である。2026年8月24日の金価格は 1オンス 4,645.74ドル(Trading Economics)。つまり実勢価格の半分以下の保守的な前提で埋蔵量が計算されている。 「埋蔵量が増えた/減った」というニュースは、価格前提を確認しないと意味が読めない。


2. 「世界第2位の金埋蔵国」という主張の検証

フィリピン国内でもSNSでも極めてよく流れる主張だが、裏が取れていない。

主張のバージョン 検証結果
「中央銀行の金準備が世界第2位」 明確に誤り。 Rappler のファクトチェックが「False」判定。World Gold Council によれば2022年第4四半期時点で157.06トン、世界26位。米国は8,133.46トン
「金鉱床(deposits)が世界第2位」 出所不明。 Forbes(2015年、Ralph Jennings 署名記事)が「世界第2位の金埋蔵」と書いており、これが一次拡散源のひとつ。ただしMGB が世界ランキングとして公表した形跡は確認できない。Gulf News も「reportedly(とされる)」と留保付きで扱っている
MGB 自身の見解 元MGB長官 Leo Jasareno は「フィリピンは金でも銅・金でももはや世界トップ10に入っていない」と公言。MGB が「世界第2位」と認めているのはニッケル生産である

結論:「世界第2位の金埋蔵国」は、日本語資料に書き写してよい数字ではない。 書くなら「そう主張されているが、政府の公式ランキングとしては未確認」と併記する。

では政府が言っている数字は何か

数字 内容・注意点
未開発鉱物資源 約1兆ドル 政府推計。銅・金・ニッケル・亜鉛・銀の合計。JORC/NI 43-101 の埋蔵量ではなく賦存量(in-situ potential)
約8,400億ドル MGB の別推計。 1兆ドルと8,400億ドルが並行して流通している
金属鉱床 215億トン/非金属 193億トン 政府推計(賦存量)
高鉱化ポテンシャル地域 約900万ha 国土約3,000万haのうち。2026年の大統領令122号もこの数字を根拠にしている
探鉱済みは約5%、鉱業契約が及ぶのは約3% これがフィリピン鉱業の最大のセールストークであり、同時に「50年言われ続けている」数字でもある

3. 金価格高騰が2025〜2026年に何を変えたか

時点 金価格 出典
2025年10月 史上初めて 1オンス 4,000ドル突破 各種市場報道
2026年1月29日 先物が過去最高 5,542.40ドル(年初来 +27〜28%) Trading Economics
2026年8月3日 4,038.16ドル(1月の高値から約4分の1安、四半期ベースでは2013年以来最悪の下落)
2026年8月24日 4,645.74ドル(前月比 +13.9%、前年比 +38%)

「2026年は金が高騰し続けている」は不正確。1月に史上最高値をつけたあと大幅調整し、8月に戻している。 資料に書くときは必ず日付を打つ。

企業業績への波及(=ここが投資判断の核心)

企業 数字 年・出典
Apex Mining(PSE: APX) 2026年上半期の実現金価格 1オンス 4,656ドル(+49%)、銀 77.67ドル(+134%)。金・銀の販売数量は −16%/−22% と減ったのに、帰属純利益は +68.2%(53.9億ペソ)、総収入 +35%(128.4億ペソ) 2026年/BusinessWorld
Apex(前年) 金販売 100,425オンス、実現価格 3,351ドル(+45%) 2025年通期
OceanaGold (Philippines), Inc. 純利益 7,650万ドル(2024年 3,030万ドル)、売上 4億3,880万ドル 2025年/Manila Times
Metals Exploration plc(AIM: MTL) 2025年通期で 調整後EBITDA 1億2,500万ドル → FCF 1億1,500万ドル。減産しているのに金価格で過去最高のキャッシュフロー 2025年/同社

要点:フィリピンの金鉱山は今、「増産で儲けている」のではなく「価格で儲けている」。 したがって金価格が崩れた瞬間に、後述する新規投資計画は一斉に止まりうる。


4. 外資が入れる形態 ── FTAA と MPSA と EP

憲法第12条により、天然資源の探査・開発・利用は「フィリピン人または資本の60%以上をフィリピン人が所有する法人」に限られる。その例外が FTAA である。

形態 正式名 外資比率 期間 要件 承認者
FTAA Financial or Technical Assistance Agreement 100%可 25年+25年更新 最低投資額 5,000万ドル(インフラ・開発)。根拠条文の訂正:RA 7942 第34条ではない。 同条は「Maximum Contract Area」であり、RA 7942 本文には米ドル建て金額規定が存在しない(2026-08-25 に lawphil 掲載の全文で確認)。5,000万ドルは施行規則(DENR AO 96-40 → DAO 2010-21)由来申請法人の資本要件は本資料が「授権資本1,000万ドル」、分野「金の制度・税制・BSP」2-2 が「最低資本金400万米ドル」とし食い違う=未確認(2026-08-25 相互照合で併記・修正。DAO 2010-21 の条文確認が必要) 大統領
MPSA Mineral Production Sharing Agreement 40%まで 25年+25年更新 60/40のフィリピン法人 DENR長官
EP Exploration Permit 100%可 2年+更新(金属は合計6年。DAO 2021-12下では合計8年とする解説もあり 基準が資料で食い違う) 2年間探鉱作業計画、環境作業計画、有資格技術者の署名 MGB/DENR

実務上の道筋:外資100%で入るなら、まず EP を取って探鉱 → 経済性が出たら FTAA へ転換(または DMPF=Declaration of Mining Project Feasibility 提出)。MPSA を狙うなら最初から60/40の現地法人をつくる。

EP の面積・返還義務(見落とされやすい)

60/40は「株主名簿」だけでは決まらない ── グランドファーザー・ルール

最高裁 Narra Nickel v. Redmont(G.R. No. 195580、2015年1月28日) は、60/40の判定について次のように述べた。

したがって「名目上60%フィリピン法人」を作れば安全、ではない。 日本企業がフィリピンの金・銅案件にマイノリティ出資する際、この判例は必ず法務レビューの対象になる。


5. 実際に入っている外資 ── 誰がどの形態で持っているか

案件 主体 国籍 形態 2026年の状況
ディディピオ(Didipio)/ヌエバ・ビスカヤ州 OceanaGold Corporation(80%保有) 豪州発祥・現在カナダ上場 FTAA(1994年6月締結、2021年に2019年へ遡及して更新、2044年6月まで) 2025年 金90,700オンス・銅13,300トン(100%ベース)。2026年ガイダンス 金85,000〜105,000オンス、AISC 975〜1,100ドル。政府はネットレベニューの60%を取得、2025年の追加政府取り分は3,720万ドル
マスバテ(Masbate)/マスバテ州 B2Gold Corp. カナダ MPSA構造の典型例 2026年ガイダンス 180,000〜200,000オンス(8月に上方修正)、AISC 1,430〜1,580ドル。AISC算定の前提実現金価格は 5,000ドル/オンス、それに伴うロイヤルティ・生産税は約4,500万ドル
タンパカン(Tampakan)/南コタバト州 Sagittarius Mines, Inc.(SMI) 現在はフィリピン資本 FTAA 後述
マンカヤン(Mankayan)/ベンゲット州 Blackstone Minerals(ASX: BSX) 豪州 MPSA(2022年3月4日更新、25年) 2025年に IDM International を全株式交換で吸収し100%取得。PFS 進行中
キンキン(King-king/Kingking)/ダバオ・デ・オロ州 St. Augustine Gold and Copper(TSX: SAU) カナダ MPSA構造(Kingking Mining Corp. を SAU 40%/Nadecor 40%/Queensberry 20%) 2025年5月に開発権を持つ Kingking Milling Corp. を完全取得。2025年7月のPFS更新で税引後NPV 41.8億ドル、IRR 34.2%、初期投資 23.7億ドル。DFS は Stantec が実施、2026年第4四半期完了目標
ルンルノ(Runruno)/ヌエバ・ビスカヤ州 Metals Exploration plc(AIM: MTL)/現地は FCF Minerals 英国 MPSA 2026年末で閉山(後述)

マスバテ方式 ── MPSAの40%制限をどう回避するか

「鉱区を持つ会社」と「選鉱場を持つ会社」を分けるのがフィリピンで最も普及したストラクチャーである。

会社 役割 資本構成
Filminera Resources Corporation 鉱区(MPSA)を保有、採掘・環境・地域対応を担当。鉱区・申請地は約10,807ha B2Gold 間接 40%/Zoom Mineral Holdings Inc.(比法人)60%
Philippine Gold Processing & Refining Corp.(PGPRC) 選鉱・製錬プラントを保有し、金の販売を全部担当 B2Gold 間接 100%

両社は鉱石売買契約(ore purchase agreement)で結ばれ、PGPRC が Filminera の鉱石を「原価+所定マージン」で全量買い取る。 鉱区保有会社は60/40を守り、キャッシュフローの出口である加工・販売会社を外資100%にする。 産出した金地金(doré)はスイスの Metalor Technologies へ輸出して精錬される。

中国系の関与

事象 内容 確度
Chinalco(中国アルミ業公司)のタンパカン出資検討 2024年8月、Indophil Resources Phils.(SMI の親)の株式を約20億ドルで取得する検討中とブルームバーグが報道 匿名情報源による報道のみ。Chinalco も Indophil も認めていない。成立の確認は取れていない(未確認)
違法小規模金鉱山への中国人関与 カマリネス・ノルテ州パラカレ、カガヤン・デ・オロなどで中国国籍者の摘発が繰り返されている。DENR も中国人の関与を認めている 報道・当局発表あり
金の密輸 小規模金生産の最大9割が国外へ密輸され、多くが香港経由で中国へ向かうとされる(当局者・業者の推計) 推計値。厳密な統計は存在しない(未確認)

6. 日本企業・日本政府の関与

前提として押さえるべき事実:日本のフィリピン鉱業関与は圧倒的に「ニッケル」であり、「金」は主戦場ではない。 金は下記のとおり、①銅精鉱の買鉱に付随する副産物として、②探鉱段階のマイノリティ出資として関与している。

6-1. 住友金属鉱山 ── 唯一の実弾の探鉱出資

項目 内容
投資先 Cordillera Exploration Company, Inc.(CEXCI/コルディリェラ探鉱)
持分 住友金属鉱山 40%/Nickel Asia Corporation(NAC)60%
経緯 CEXCI は1994年10月19日設立。2010年11月に NAC が Anglo American から買収(アングロはフィリピン撤退)。2011年11月に住友金属鉱山が 25% 取得、その後 280万ドル を追加拠出して 40% へ引き上げ
対象 金・銅。ルソン島北部コルディリェラ地域
保有鉱区 Manmanok(アパヤオ州)EPKutop(アブラ州)EP申請Mankayan(ベンゲット/イロコス・スル/マウンテン州)FTAA申請(一部を EP に転換中)、Newminco Pacific Mining(サンバレス州、2015年に100%取得)
結果 Manmanok は2012年6月〜2013年3月の掘削で成果が乏しく、鉱区を放棄。CEXCI は現在も開発・商業生産段階の事業を持たない

教訓:日本企業がフィリピンの金・銅探鉱に入った実例はあるが、20年近い期間で商業生産に至ったものは確認できない。 これがフィリピン探鉱の実像である。

CEXCI の「Mankayan FTAA申請」と、Blackstone Minerals が取得した「Mankayan MPSA(Crescent Mining 保有)」は別物である。 同じ地名なので混同しやすい。

6-2. 住友金属鉱山の全体像(金・銅価格の恩恵)

項目 数字
2026年3月期 親会社株主帰属当期純利益 1,763億円(前期比で大幅増。理由は銅と金の価格上昇+円安 2026年3月期/日本経済新聞
対比:2025年3月期 税引前利益 313.83億円(フィリピンのニッケル製錬で約500億円の減損 2025年/同社
コーラルベイニッケル(CBNC、パラワン州) 2025年1月、NAC から残り15.625%を取得し100%子会社化 2025年
中期経営計画 現行は「中期経営計画2027」(2025〜2027年度)。「2026」ではない 同社IR

ポイント:住友金属鉱山にとってフィリピンは「ニッケルで損を出し、金・銅(主に他国資産)で儲けている」構図。 フィリピンの金鉱山への本格投資には至っていない。

6-3. 三井系 ── 買鉱(オフテイク)という関わり方

日本の金属メジャーがフィリピンの金に触れる最大の経路は「銅精鉱の買鉱」である。 斑岩銅鉱床から出る銅精鉱には金が同伴しており、これを日本の製錬所で回収する。

事象 内容 注意
Pan Pacific Copper(PPC) と Philex Mining の長期契約 2004年1月、PPC(当時:日鉱金属66%・三井金属34%の合弁)が Philex にパドカル鉱山(Padcal Mine)の深部開発資金を長期融資、見返りに年5〜7万トンの銅金精鉱(銅約1.5万トン、金約2トン)を引き取る契約。処理先は大分県の佐賀関製錬所 2004年時点の契約条件。その後の改定・現行条件は未確認
Taganito HPAL(ニッケル) 出資比率は資料により食い違う。 本資料の従来記載は「住友金属鉱山 75%/NAC 10%/三井物産 15%」だが、分野「レアアースと戦略鉱物」3-3 は 「住友金属鉱山 62.5%/Nickel Asia 22.5%/三井物産 15.0%」とする。三井物産15%は両者一致。2013年10月操業開始 → 2014年に定格到達 2026-08-25 相互照合。住友金属鉱山IR/Nickel Asia 年次報告の原典確認が必要=未確認。 どちらか一方を消さずに併記する
三井金属のフィリピンでの金・銅探鉱 該当する事業の存在は確認できなかった(未確認)。三井金属は現在、銅箔・排ガス触媒・薄膜材料など機能材料が主力 推測で書かない

6-4. JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)

制度・実績 内容
海外探鉱資金出資 出資額は「探鉱に必要な資金の50%以内」かつ「JOGMECが単独で最大株主にならない範囲」。日本企業(本邦法人)が主体のJV/プロジェクト会社にマイノリティでリスクマネーを供給する制度
金属採掘等資金出資(開発段階) 出資先は本邦法人、または本邦人・本邦法人が実質支配する外国法人。対象事業の生産物について出資比率以上の引取権を持つことが原則条件
MGB との協力覚書 MGB と JOGMEC は鉱山修復・鉱害防止に関する MOU を締結。JOGMEC がフィリピン政府職員への能力育成・技術支援を提供
経済産業省(METI)と DENR 2019年8月に鉱業・鉱物資源分野の協力覚書(MOC)を締結。鉱業政策対話、需給動向の情報共有、持続可能な開発のベストプラクティス、鉱山保安、EIA、投資環境改善が対象
フィリピンの金・銅案件への JOGMEC 出資実績 個別案件名・出資比率が確認できる公表資料は見つからなかった(未確認)。 確定させるには JOGMEC の業務実績報告書・出融資実績一覧の直接確認が必要

6-5. 日本の調達戦略の中でのフィリピンの位置づけ

日本の重要鉱物戦略は2025〜2026年、明確に「米・豪」に軸足がある。

相手国 内容 時期
米国 レアアース等の重要鉱物に関する枠組み協定を東京で署名(高市首相・トランプ大統領)。JOGMEC は REAlloys 社と MOU。2026年3月の METI ファクトシートには米国発生スクラップからの銅・ニッケル・すず・金・銀・PGM の生産供給が明記 2025年10月〜2026年3月
豪州 豪が Critical Minerals Facility 等で最大13億豪ドル、JOGMEC 側が約3.7億豪ドルの投資・助成 2025年
フィリピン 2019年の METI–DENR 覚書と MGB–JOGMEC 覚書が基本枠組み。2025〜2026年に新たな日比重要鉱物協定が結ばれた形跡は確認できなかった(未確認)

したがって「日本がフィリピンの金に戦略的に投資している」という書き方はできない。 正確には「ニッケルには深く関与し、金・銅には探鉱段階のマイノリティ出資と買鉱で関与している」である。


7. 金は「銅のおまけ」である ── 斑岩銅鉱床の理解

フィリピンで大型の金鉱床と言われるものの大半は、実は銅・金の斑岩鉱床(porphyry copper-gold deposit)である。 環太平洋火山帯の島弧に沿って形成される。

案件 金だけ見た数字 実態
タンパカン 金 1,760万オンス 銅 1,500万トンが主体。年産想定は銅37.5万トン/金36万オンス(17年間)
キンキン 金 690万オンス(38年間の回収可能量) 銅 44億ポンド。銅当量で年20.4万トン超=世界トップ10級の銅鉱山になるという主張
シランガン(Silangan) 金 280万オンス(ボヨンガン鉱体) 銅 9億9,300万ポンド。フェーズ1の年平均は銅8,100万ポンド/金34,000オンス
ディディピオ 金 90,700オンス(2025年) 銅 13,300トン。MGB統計では2023・2024・2025年を通じて「国内第2位の金・銅生産者」
マンカヤン 過去掘削で 911m @ 銅当量1.00%(銅0.51%/金0.63g/t)

実務上の含意: 1. 銅価格が動くと金鉱山の採算が動く。 金価格だけ見ていては採算が読めない。 2. 日本の製錬所(佐賀関など)が引き取るのは「銅精鉱」であり、金はその中に入って日本に来る。 「金の輸入」という統計上の形を取らない。 3. 銅を主目的とする資源メジャーや中国国有企業が、結果としてフィリピンの金の最大の担い手になる。


8. 探鉱の実務 ── FPIC と CADT が最大の関門

8-1. 手続きの流れ

  ① EP(探鉱許可)申請を MGB 地方事務所へ(MGB Form No. 5-1)
       添付:2年間探鉱作業計画、環境作業計画、技術者の履歴・実績
       鉱業会議所(COMP)会員なら Certificate of Good Membership Standing
            ↓
  ② 区域ステータス/クリアランス確認(保護区・森林・重複鉱区の有無)
            ↓
  ③ 申請公告(新聞掲載・ラジオ告知・掲示)→ 異議申立の処理
            ↓
  ④ NCIP の Certification Precondition(CP)取得
       ・祖先伝来領域(CADT/Ancestral Domain)にかかるなら FPIC が必須
       ・かからないなら Certification of Non-Overlap(CNO)
            ↓
  ⑤ 地方議会(Sanggunian)の承認
            ↓
  ⑥ EP 発給 → 探鉱 → DMPF(採掘事業可能性宣言)提出
            ↓
  ⑦ MPSA(60/40)または FTAA(外資100%可・大統領承認)へ

8-2. FPIC(自由意思による事前の情報に基づく同意)の実務

8-3. FPIC が実務上どう「効く」か ── 3つの失敗パターン

パターン 実例
誰が「その土地の先住民」かで揉める ディディピオでは、FTAA区域が「先住民族の祖先伝来領域の外」とするCertification of Non-Overlap が出された一方、更新手続中にブグカロット(Bugkalot)族が領域拡張申請を出し、技術的に鉱区を覆ったため更新が長期化。他方、支援団体は「実際に住んでいるのは移住してきたイフガオ(Ifugao)であり、50年以上の居住実績がある彼らにこそ FPIC の権利がある」と主張。「祖先伝来」の証明と「現に住んでいる」ことが一致しない
NCIP が手続を簡略化して炎上 ベンゲット州の案件で、NCIP コルディリェラ地方事務所長が「通常の FPIC 手続きでは操業期間(1年)より長くかかる」として、改訂FPICガイドライン第24条(非採取的・小規模活動向け)を特別採掘許可に適用。委員会(Commission En Banc)が承認したが、批判側は「企業の都合に合わせて FPIC を骨抜きにした」と非難
探鉱許可が住民反対で停止され、鉱山ごと死ぬ ルンルノ/ドゥパックス案件(下記)

8-4. ケーススタディ:ルンルノ鉱山の閉山(2026年)

これは「探鉱ができないと鉱山は死ぬ」という教科書的事例であり、日本企業が最も学ぶべき事例である。

  2025年8月    Woggle Corporation(FCF Minerals の関連会社、親会社は英 Metals Exploration plc)が
               ヌエバ・ビスカヤ州ドゥパックス・デル・ノルテ市バランガイ・ビトノンで探鉱許可を取得
               → 直後から住民のバリケード・抗議が始まる(地方自治体協議の欠如を主張)
            ↓
  2025年内     MGB が「治安上の懸念と地域の反対」を理由に
               Woggle の探鉱許可を「不可抗力(force majeure)」として一時停止
            ↓
  2026年2月18日 FCF Minerals が発表:
               「ドゥパックスの探鉱が止まり、新たな経済的埋蔵量を確定させるための掘削ができない。
                  ルンルノは現在の鉱体を掘り尽くして閉山する」(Lorne Harvey ゼネラルマネージャー)
               「鉱業は本質的に有限である。埋蔵量の補填がなければ操業は終わる」
            ↓
  2026年3月    労働雇用省(DOLE)が1,296人の離職予定者への支援を開始
               (影響を受ける従業員・請負業者・関連事業者は1,500人超)
            ↓
  2026年末     閉山予定

さらに悪いことに、同鉱山は「違法な小規模採掘に由来するシアン汚染」で BIOX(バイオ酸化)回路が障害を起こし、2026年の生産ガイダンスを 40,000〜48,000オンスへ引き下げている。 大規模鉱山と違法小規模鉱業が同じ山を掘る、というフィリピン特有のリスクである。

教訓:フィリピンでは「操業許可」より「探鉱許可」のほうが政治的に脆い。 探鉱は住民にとってメリットが見えず反対だけが集中するため、真っ先に止まる。そして探鉱が止まれば数年遅れで鉱山が死ぬ。


9. 環境・社会リスク ── 地方条例と国の鉱業法、どちらが勝つか

9-1. 最高裁が2025年に出した決定打

Province of Occidental Mindoro v. Agusan Petroleum and Mineral Corporation(G.R. No. 248932)

項目 内容
判決日 2025年1月14日(大法廷)。公表は2025年5月14日(判決日と公表日がずれている点に注意)
執筆 Marvic M.V.F. Leonen 上席判事
対象 オクシデンタル・ミンドロ州条例34-09号、アブラ・デ・イログ町条例106-2008号(大規模鉱業の25年モラトリアム
原告 Agusan Petroleum and Mineral Corporation(FTAA保有者

判旨(4点): 1. 鉱業法(RA 7942)第19条にいう「laws(法律)」に地方条例は含まれない。 地方自治体の条例制定権は議会に由来するのだから、条例を「法律」と読めば議会の権限を地方が上書きできてしまう。 2. 警察権(police power)は国の法律に劣後する。 国家がすでに認めた活動を地方が禁止することはできない。 3. 「特定の鉱業案件を拒否すること」はできるが、「管轄区域内のすべての大規模鉱業を禁止すること」はできない。 包括的禁止は「広範に過ぎ(too broad)」無効。 4. 環境上の懸念は環境影響評価(EIA)手続の中で扱われるべきで、EIA には地方自治体との事前協議が含まれている。

9-2. では州の禁止条例はすべて無効になったのか ── なっていない

状況
パラワン州 2025年3月13日、州条例3646号(50年モラトリアム)に知事 Dennis Socrates が署名。 巧妙な点は「採掘の禁止」ではなく「州による推薦(endorsement)の発給停止」という建て付けにしていること。 鉱業会議所(COMP)は無効化を求めて申立を行っているが、2026年2月時点でも条例は存続。擁護側は戦略的環境計画法(RA 7611)とパラワン持続可能開発評議会(PCSD)という特別法の存在を根拠にしている
その他 カピス州、東サマール州、マリンドゥケ州、ミンドロ、ロンブロン州が以前からモラトリアム条例を持つ
南コタバト州 タンパカンの露天掘り禁止条例は2022年に解除された

実務上の結論:最高裁判決により「包括的禁止条例」の法的基盤は崩れたが、地方自治体は依然として ①個別案件の不承認、②推薦の不発給、③Sanggunian 承認の留保 という手段を持つ。事実上の拒否権はなくなっていない。

9-3. 露天掘り禁止

9-4. 環境活動家の殺害 ── Global Witness

報告書「Roots of Resistance」(2025年9月17日公表、2024年のデータ)

項目 数字
世界全体(2024年) 146人が殺害または失踪
2012〜2024年 累計(世界) 少なくとも 2,253人
フィリピン(2024年) 殺害7人+長期失踪1人=8件。アジア最多(12年連続)
前年(2023年)比 17件 → 8件へ減少。ただし2024年の8件のうち6件が政府機関と関連しているとされる
業種別(世界、2024年) 鉱業が最多の29件(次いで林業8件、アグリビジネス4件)
フィリピン累計(2012〜2024年) 少なくとも 306人(タイ13、カンボジア11、ミャンマー8、マレーシア1を大きく上回る)
軍の関与 2012〜23年に記録された先住民活動家殺害117件のうち 64件が軍によるものとされる(Global Witness/Kalikasan 調査)

数え方に注意:Global Witness は従来「6か月以上の失踪」を殺害数に合算していたが、現在は分けて集計している。「フィリピン7人」と「フィリピン8件」が併存するのはこのため。

また Global Witness は、活動家が「レッドタギング(red-tagging=共産主義者・テロリストのレッテル貼り)」の対象となり、超法規的殺害・拘束・刑事訴追・資産凍結・監視にさらされていると指摘する。フィリピンの人権団体 Karapatan は2024年の人権活動家殺害を14件と記録しており、団体によって数字が異なる。

9-5. 教会と反鉱業運動


10. 2025〜2026年の投資・再開・資金調達の動き

10-1. 政策の追い風

施策 内容 日付
RA 12253(大規模金属鉱業強化財政制度法) 鉱物保留地内は総産出額の5%、保留地外は利益率連動の5段階1〜5%(マージンが閾値未満・ゼロ・マイナスなら総産出額の0.1%=法文「one-tenth (1/10) of one percent」)。超過利潤税(windfall profits tax)は利益率30%超に5段階1〜10%(2026-08-25 相互照合で確定。旧記載は「1〜5%/0.1〜5%/1.5〜10%/1〜10%と食い違う」と両論のまま放置していたが、クラスタ内4資料〈鉱業とニッケル3章/主要金鉱山と生産5-3/金の制度・税制・BSP 4-2〜4-3/銅とその他の金属資源8-1〉が「ロイヤルティ1〜5%+最低0.1%」「超過利潤税1〜10%」で一致するため多数値を採用)。「最低0.1%」を「0.01%」と書く解説(グラント・ソントン比ほか)は誤り 2025年9月4日署名
大統領令122号(EO 122, s. 2026) 重要鉱物産業の統一国家政策枠組みを確立。鉱業産業調整評議会(MICC)を再編し DENR と財務省(DOF)の共同議長制に。バーチャル・ワンストップ窓口と許認可の同時並行処理、国家探鉱・鉱物保護区プログラム、国内加工プラントへの鉱石優先アクセス保証、BOI が CREATE 法に基づく優遇を付与 2026年8月21日署名(8月22日公表)
批判 ACT Teachers 選出 Antonio Tinio 下院議員は「鉱物資源の外国への全面的な明け渡し(wholesale surrender)」と批判。農民・先住民の大規模な立ち退きを招くと主張。2026年4月にフィリピンが参加した米国主導の 「Pax Silica」 構想との関連も指摘 2026年8月

10-2. 投資コミットメント

企業 金額 内容 日付
OceanaGold 19億ドル(約1,060億ペソ) ディディピオ鉱山の操業を2037年まで延長。マルコス大統領のカナダ訪問中、バンクーバーの Fairmont Pacific Rim で Gerard Bond CEO が表明 2026年7月3日
B2Gold 約1,400万ドル マスバテ金鉱の拡張+新規探鉱 2026年7月
カナダ企業全体 159億ドルの投資意向(鉱業セクター) マルコス大統領との会談後 2026年7月
Philex Mining 総額 10億ドル(12年) シランガン。既に2億4,000万ドル投資済み、追加7億6,000万ドルを負債・エクイティで調達予定 継続中

投資「表明」と実際の資金流入は別物である。 BOI の2026年上半期承認額は 4,618.4億ペソ(前年同期比 +20.8%)で、鉱業・採石は146.4億ペソにとどまる。一方 BSP が集計する純FDI(実際の流入)は2026年4月に約10年ぶり低水準の2億5,000万ドル(前年同月比 −58.8%)まで落ち込んだ。

10-3. PSE(フィリピン証券取引所)の鉱業株

銘柄 動き
Dominion Holdings(PSE: DHI) 2026年年初来 +1,000%超、株価15.60ペソ、時価総額337億ペソ。(元は BDO Leasing and Finance)
Philex Mining(PSE: PX) 2025年上半期の値上がり率トップ。時価総額約582億ペソ(2025年半ば)。材料は①金価格、②シランガン商業生産、③外国投資家のマイノリティ出資交渉
Apex Mining(PSE: APX) 2025年に +78.84%(6.17ペソ)
Manila Mining "B" / "A" +90% / +86.67%(2025年)
指標 PSE Mining and Oil Index(PSMO)。フィリピン金属・鉱業セクターの実績PERは約10倍、過去3年の株主総リターンは102%(Simply Wall St)

10-4. タンパカン ── 2026年最大のディール

  1990年代〜    Xstrata Copper 62.5% / Indophil Resources NL 37.5%
  2013年        Xstrata が Glencore に統合
  2015年       Glencore 撤退(規制の不確実性と全国的な露天掘り禁止が理由)
  2022年        南コタバト州の12年にわたる露天掘り禁止条例が解除
  2024年8月     Chinalco が Indophil 株を約20億ドルで取得検討との報道(未確認)
  2025年10月    SMI が「近代的技術を持つ戦略パートナー」を公募(Roy Deveraturda CEO)
  2026年8月20日 Dominion Holdings(DHI)取締役会が
                 Indophil Resources Phils. および Sonar Holdings との合併を承認
                 → DHI が存続会社となり、SMI の議決権100%を取得
                 → 授権資本を 34.2億ペソ → 300億ペソ(約4億8,670万ドル)へ増資
  2026年9月14日  株主総会で合併・増資を採決(予定)
  2028年        商業生産開始見込み(当初目標の2026年から2年遅延)
項目 数字
鉱量 銅 1,500万トン/金 1,760万オンス(資源量であって埋蔵量ではない。JORC 2004年版・2011年12月末時点、以後更新公表なし)、鉱山サイト約10,000ha(FTAA区域は25,371ha)、鉱山寿命は17年(年産計画ベース)。「40年超」とする記述も流通しており不一致=未確定(2026-08-25 相互照合で修正。旧記載は「鉱山寿命40年超」と断定していた。出典:分野「主要金鉱山と生産」4-2/「金の埋蔵量と鉱床」第7章、いずれも17年を主・40年超を異説とする)
年産(17年平均) 銅 375,000トン/金 360,000オンス(精鉱中)
総価値の主張 最大2,000億ドル(これは「賦存量に金属価格を掛けた粗価値(gross value)」であり、埋蔵量でも NPV でもない
出資者 シー(Sy)家、コンスンジ(Consunji)家、アルカンタラ(Alcantara)家。DHI の取締役に Henry Sy Jr.、社長 Frederic DyBuncio、会長 Isidro Consunji
関連 DHI は Atlas Consolidated Mining(PSE: AT)の20.43%を取得済み。SM Investments は保有する約34%を2027年までに DHI へ移管予定

含意:フィリピン最大の銅・金案件は、外資メジャーの手を離れて「フィリピン財閥の上場ビークル」に集約されつつある。 これは日本企業にとって、①出資ではなく買鉱(オフテイク)や EPC で関わる余地が増える、②パートナーが財閥になるので交渉相手が変わる、という2つの意味を持つ。

10-5. シランガン(Silangan)── マルコス政権下で最初に立ち上がる大型鉱山

項目 内容
場所・主体 北スリガオ州/Philex Mining(PSE: PX、Manuel V. Pangilinan 会長)
状況 当初「2026年3月に初出金」→ 2026年6月時点で「第3四半期に初出金、商業生産も第3四半期」→ 2026年7月末の最新開示では「プラント試運転完了は2026年第4四半期」に再度後ろ倒し(2026-08-25 相互照合で更新。旧記載はQ3で止まっていた。出典:分野「銅とその他の金属資源」3-4/「金の制度・税制・BSP」9-2「第4四半期完工へ後ろ倒し」)。坑内掘りとテーリングダムは2026年4月末までにほぼ完成、選鉱プラントは EEI Corp. が段階的に引渡中、試運転は Ausenco Pty Ltd。会社側は収益貢献を2027年からと説明
生産物 銅カソードと金ドーレ。フィリピン初の銅・金一貫浸出設備
フェーズ1 年平均 銅8,100万ポンド/金34,000オンス。初期2,000トン/日 → 12年目に12,000トン/日(年400万トン)
品位 60年操業のパドカル鉱山の約6倍
外資 外国投資家がシランガンに直接(Philex本体ではなく)出資する方向で交渉。上限40%、あくまでマイノリティ。2025年10月時点で契約は未締結、投資家名も未公表(未確認)

11. 実務チェックリスト ── 日本企業がフィリピンの金案件を検討するとき

# 確認事項 理由
1 その数字は Reserves か Resources か Endowment か Inferred Resource を「埋蔵量」と訳した資料が氾濫している
2 JORC / NI 43-101 準拠か、有資格者(Competent Person / Qualified Person)の署名があるか 準拠でない数字は投資判断に使えない
3 金属価格の前提は何ドルか ディディピオは2,200ドル前提。実勢の半分以下
4 鉱区の形態(EP / MPSA / FTAA)と残存年限 FTAA でなければ外資100%は不可
5 60/40のグランドファーザー・ルールに耐えるか Narra Nickel v. Redmont
6 CADT との重複、CP/CNO の有無、FPIC の完了状況 重複していれば数年単位で止まる
7 州・市町村の Sanggunian の姿勢と、モラトリアム条例/推薦(endorsement)の運用 最高裁判決後も事実上の拒否権は残る
8 探鉱許可が継続確保できるか ルンルノの事例。探鉱が止まれば鉱山は死ぬ
9 違法小規模採掘との地理的競合 選鉱回路の汚染、鉱量の先食い
10 RA 12253 下の実効税負担(ロイヤルティ+超過利潤税+法人税+地方税+IPロイヤルティ1%) 金価格が高いほど超過利潤税が効いてくる
11 金価格が2,500ドルに戻っても成立するか 2026年1月の5,542ドルは高値であり、8月には4,038ドルまで下げている

12. おまけ ── 中央銀行(BSP)の金と小規模鉱業

項目 数字 年・出典
BSP の金保有 約132トン、約186億ドル、外貨準備の 17%(新興国中銀の平均9.2%を大きく上回る) 2025年末
外貨準備(GIR) 1,075億ドル(2026年3月末、前月比 −52億ドル) 2026年/BSP
過去の売却 2024年上半期に 24.95トン売却(BestBrokers 集計)。BSP は「高値を活かした能動的運用の一環」と説明 2024年
RA 11256(2019年3月29日) 登録小規模鉱業者・認定業者が BSP に金を売る際の所得税・物品税を免除。 2011年7月の課税(物品税2%+源泉税5%)で BSP の国内買取が2010年の90万トロイオンス超から2019年の約1万トロイオンスへ99%激減したことへの対応 2019年
効果 2020年の BSP 買取は 115,800トロイオンス(2019年は10,207トロイオンス)=約1,000%増 2020年
買取拠点 ケソン市、バギオ市、ダバオ市、サンボアンガ市、ナガ市の5か所 BSP
小規模鉱業者数 推計30万〜50万人(DENR 等)。大半が未規制
水銀 DAO 2015-03 で選鉱工程の水銀使用は全面禁止、ハイドローリッキングとコンプレッサー採掘も禁止。しかし水銀フリー技術へのアクセス不足が闇市場を生んでいる(BAN Toxics) 2015年〜
法改正の動き 下院法案5840号「Minahang Bayan Act」(1991年小規模鉱業法 RA 7076 の全面改正)。TUCP 政党リストが2025年11月提出。2026年4月26〜28日、マウンテン州サガダで全国小規模鉱業者連合(NCSSMPI)第7回全国大会(59団体・200人超) 2025〜2026年

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