コメと食料安全保障
情報基準日:2026-08-26 / 分野:経済・産業・ビジネス
コメ価格はフィリピンで最も政治的な数字である。 インフレ、農家の生計、輸入政策、選挙が、すべてこの一点で交差する。
2026年のフィリピンは「農家保護」を掲げながら、上半期の輸入量が過去最高(275万トン)になった。 この矛盾が本稿の中心テーマである。
0. 30秒サマリー
| 論点 |
2026年8月時点の答え |
| 関税率 |
15%(EO 105の四半期連動制。第1四半期は発動基準未達で据え置き。第2四半期以降の公式確認は取れず=未確認) |
| 輸入 |
上半期275万トンで過去最高(BPI、2026年7月)。「2〜4月の再禁輸」は実施されなかった |
| もみ価格 |
22.36ペソ/kg(乾燥もみ全国平均、2026年7月、PSA)=前年同月比 +36.3% |
| 生産 |
第2四半期 463万トンで1987年以降の同期最高(PSA)。ただし7〜9月は ▲13.3% 見込み |
| 自給率 |
78.1%(2025年、PSA)。2024年は37年ぶり低水準の 71.7% |
| 最大の下振れ要因 |
2026年11〜12月に想定される強いエルニーニョ(DA、2026年8月) |
| 飢餓 |
23.2%の世帯が「食べる物がない」経験(SWS、2026年3月調査) |
1. 前提:用語と登場人物
| 略称 |
正式名称 |
役割 |
| palay |
籾(もみ、未精米) |
生産者が売る単位。精米すると重量は約65%に |
| DA |
Department of Agriculture(農業省) |
政策全体。長官は Francisco Tiu Laurel Jr. |
| NFA |
National Food Authority(国家食糧庁) |
国産もみの買取・緩衝在庫。輸入権限は無い |
| BPI |
Bureau of Plant Industry(植物産業局) |
輸入許可(SPSIC)の発給。輸入統計の一次ソース |
| PSA |
Philippine Statistics Authority(統計庁) |
生産量・生産者価格・小売価格・自給率の公式統計 |
| SRA |
Sugar Regulatory Administration(砂糖規制庁) |
砂糖の生産配分・輸出入命令(Sugar Order) |
| BAI |
Bureau of Animal Industry(動物産業局) |
豚熱・鳥インフルの防疫 |
| PhilRice / PhilMech |
稲研究所/収穫後機械化センター |
種子開発/RCEF機械化の実施機関 |
| RCEF |
Rice Competitiveness Enhancement Fund(コメ競争力強化基金) |
コメ関税収入を財源とする農家支援基金 |
| IAGRTA |
Inter-Agency Group on Rice Tariff Adjustment |
2026年の関税四半期調整を運用する省庁間グループ |
| FFF |
Federation of Free Farmers(全国自由農民連盟) |
最大級の農民団体。セーフガード申立の当事者 |
| PCIC |
Philippine Crop Insurance Corporation |
政府系の作物保険 |
2. コメ関税化法(RA 11203、2019年)── 出発点
2-1. 何をした法律か
| 項目 |
内容 |
| 成立 |
2019年2月14日、ドゥテルテ大統領が署名(Republic Act No. 11203) |
| 中身 |
コメ輸入の数量制限(QR)を撤廃し、関税に置き換えた(agricultural tariffication) |
| 関税率 |
ASEAN域内 35% を基本(MFN枠外は50%) |
| NFAの権限 |
輸入権限と価格規制権限を剥奪。国産もみの買取と緩衝在庫のみに縮小 |
| RCEF |
関税収入から年100億ペソ×6年を農家支援へ。機械化50%/種子30%/信用10%/普及10% |
2-2. 功罪 ── どちらの主張にも根拠がある
| 擁護論 |
批判論 |
| 供給が安定し、価格急騰リスクが下がった |
自給率が低下。2019・2022・2023・2024年は80%割れ(PSA) |
| 2024〜25年に コメのデフレ をもたらし低所得層を助けた(2025年6月のコメ物価は ▲14.3%、1995年の統計開始以降で最大の下落=PSA) |
もみ価格の崩落。2025年の収穫期には8〜12ペソ/kgの報告 |
| 関税収入がRCEFとして農家に還流 |
RCEFの予算執行率が低い(2023年通年 62.59%、機械化は33.25%=下院CPBRD政策ブリーフ2024-05) |
| 消費者の家計負担を軽減 |
下院調査機関CPBRDは「RTLとRCEFはコメ生産性の成長軌道を有意に変えていない」と結論(2024年) |
注 知らないと間違える点①:「関税化法=関税35%」ではもうない。
2024年6月の EO 62 が MFN 税率を 35%→15% に引き下げ、2028年までの税率表を定めた。
現在の15%は「関税化法の税率」ではなく「大統領令で下げた税率」である。
2-3. 2024年の改正(RA 12078)
- 2024年12月9日、マルコス大統領署名。RA 11203を改正。
- RCEFを2031年まで延長し、年100億ペソ→年300億ペソへ3倍増(DA、2024年)。
- NFAに「食料安全保障緊急事態(food security emergency)」下での緩衝在庫放出権限を復活。
- 注 ただしNFAの輸入権限は復活していない。 ここを混同する記事が多い。
3. 2025年の輸入禁止 →2026年1月の再開
| 時期 |
措置 |
根拠・出典 |
| 2025年9月1日 |
60日間の輸入停止(regular milled/well-milled のみ。国内で作らない品種は除外) |
EO 93。もみ価格の10ペソ割れ報告が引き金 |
| 2025年9月末 |
1〜9月の輸入 350万トン、約80万トンの供給過剰とDAが認定 |
DA長官 Tiu Laurel 発言(2025年) |
| 2025年11月 |
2025年12月31日まで延長(結果として計4か月) |
EO 102 |
| 2026年1月1日 |
輸入再開 |
DA/BPI |
| 2026年1〜2月 |
輸入米の陸揚げを全国17港に限定。2月1日以降、イロイロ・カピス・アクラン・アンティケ・ギマラスの各港は精米済み輸入米の取扱い不可 |
BPI/PortCalls(2026年) |
注 知らないと間違える点②:「2026年2〜4月に再び輸入禁止」という2025年10月時点の計画は、実行されなかった。
2026年8月5日、Tiu Laurel長官は 「輸入禁止はしない」 と明言。理由は
11〜12月に想定される強いエルニーニョ(もみ生産を約75万トン押し下げる可能性)に備えた緩衝在庫の確保。
2026年8月3日時点の年初来輸入は 330万トン(Manila Times、2026年8月5日)。
4. 価格連動型の関税(EO 105)── 2026年の新しい骨格
4-1. 仕組み
- 根拠:Executive Order No. 105(2025年11月)、および IAGRTA Circular No. 2025-001
- 発効:2026年1月1日
- 基準指標:ベトナム産 破砕米5%(Vietnam 5% broken)の輸出価格、FAO公表値
- ベースライン:386.50米ドル/トン(2025年3月)
- 調整幅:国際価格が5%下がるごとに関税を5ポイント引き上げ/5%上がるごとに5ポイント引き下げ。下限15%・上限35%
- 運用主体:IAGRTA=DEPDev(旧NEDA)・DA・DTI・DOF・OSAPIEA(中央銀行BSPは資料提供機関)
4-2. 関税の階梯(IAGRTA Circular 2025-001)
| ベトナム5%破砕米の平均価格 |
適用関税 |
| 368米ドル/トン以上 |
15%(下限) |
| 350〜367米ドル/トン |
20% |
| 332〜349米ドル/トン |
25% |
| 316〜331米ドル/トン |
30% |
| 315米ドル/トン以下 |
35%(上限) |
4-3. 四半期スケジュール
各四半期の最終月(3月・6月・9月・12月)に価格を監視
↓
翌月10日までに DA が新税率を証明(certify)
↓
翌月15日までに関税局(BOC)が Customs Memorandum Order を発出
↓
約4か月間 適用
4-4. 実際に何が起きたか
| 時点 |
ベトナム5%破砕米 |
適用税率 |
| 2025年12月平均 |
387米ドル/トン |
─(基準未達) |
| 2026年1月下旬 |
382米ドル/トン |
15%(第1四半期、3月まで据え置き) |
| 2026年第2・第3四半期 |
─ |
注公式確認が取れず=未確認。IAGRTA証明とBOC通達を要確認 |
注 知らないと間違える点③:「2026年1月1日にコメ関税が15%→20%に上がった」という報道が存在する(Nation Thailand ほか)。
しかし USDA FAS(GAIN RP2026-0004、2026年2月)、Philstar(2026年1月29日)、GMA News(2026年1月)はいずれも
「トリガー未達のため第1四半期は15%据え置き」と報じている。20%説は誤りの可能性が高い。
注 USDAの警告(GAIN、2026年): 国際コメ価格の下落幅が大きいため、
関税率を引き上げても輸入米が国産米より安いという状態が起こりうる。ただしペソ安が下落の一部を相殺する。
5. もみ(palay)の生産者価格 ── 崩落から急反発へ
5-1. 数字の推移(PSA/乾燥もみ全国平均)
| 時点 |
価格 |
前年同月比 |
| 2025年7月 |
16.40ペソ/kg |
─ |
| 2025年収穫期(9〜11月) |
8〜12ペソ/kg の報告(地域・時点により) |
─ |
| 2025年10〜12月(季節調整値) |
17.60ペソ/kg |
─ |
| 2026年1〜3月(季節調整値) |
21.25ペソ/kg |
+20.8%(前期比) |
| 2026年3月 |
23.91ペソ/kg |
+28.0% |
| 2026年4月 |
23.31ペソ/kg |
(3月比 ▲2.2%) |
| 2026年5月 |
21.94ペソ/kg |
─ |
| 2026年6月 |
21.78ペソ/kg |
─ |
| 2026年7月 |
22.36ペソ/kg |
+36.3%(2025年7月 16.40ペソから) |
2026年7月の地域別(PSA/Manila Times 2026年8月15日)
| 地域 |
価格 |
前年同月比 |
| カラバルソン(Calabarzon) |
19.13ペソ/kg |
+71.6% |
| カガヤン・バレー(Cagayan Valley) |
22.01ペソ/kg |
+61.0% |
| 中部ルソン(Central Luzon) |
20.38ペソ/kg |
+53.7% |
注 旧稿にあった「PSA 2025年8月=17.11ペソ/kg」は今回の調査で裏が取れなかった=未確認。
確認できたのは 2025年7月=16.40ペソ/kg(PSAの前年同月比計算の基数)である。
5-2. 生産費との関係 ── これが「作付けストライキ」の正体
収穫最盛期の生産者価格 10〜12ペソ/kg
生産費(推計) 18〜20ペソ/kg
──────────────────────────────────
1kgあたり 6〜10ペソの赤字
- 出典:Inquirer分析記事(2026年7月)。輸入急増によりこの状態が 3〜4作期 続いた。
- ラグナ州、ヌエバエシハ州、ミンドロ島で「作付けをやめる」動き=planting strike(作付けストライキ)。
農民の言葉は "nalulugi lang"(損するだけ)。灌漑が使えない/使う金がなく乾いたままの田も多い。
- Tiu Laurel長官自身が「RICE法を通さないと、8〜10ペソのもみ価格が再発する」と発言(2026年)。
注 推計値と確定値の区別:「10〜12ペソ」「18〜20ペソ」はいずれもPSAの公式統計ではなく、
農民団体・分析記事による推計・報告値である。PSAの全国平均(月次)とは別物として扱うこと。
6. NFAの介入 ── 買取価格・予算・実績
6-1. 買取価格の推移(湿もみと乾燥もみを混同しないこと)
| 時期 |
湿もみ(wet palay) |
乾燥もみ(dry / clean) |
備考 |
| 〜2026年前半 |
最低 17ペソ/kg(幅17〜23) |
最低 23ペソ/kg(幅23〜30) |
Pricersプログラム |
| 2026年4月 |
─ |
一部地域で最大30ペソ/kg(従来21ペソから) |
ブラカン、ヌエバエシハ、ソルソゴン、カピス、アクラン、ボホール、東ネグロス、南部・中部ミンダナオ大半、BARMM。他地域は25〜29ペソ |
| 2026年6月(案) |
22ペソ/kg |
27ペソ/kg |
収穫期の業界ベンチマーク狙い |
| 2026年9月の収穫から |
最低21ペソ/kg(17ペソから引き上げ、全国) |
(最低23ペソ/kg) |
肥料など投入コスト上昇への対応 |
注 知らないと間違える点④:「NFAが30ペソで買う」と「NFAの最低価格が21ペソ」は別の話。
30ペソ=一部地域における乾燥もみの上限(2026年4月)。21ペソ=全国の湿もみ最低価格(2026年9月から)。
6-2. 調達実績は目標に大きく届いていない
| 指標 |
数値 |
時点・出典 |
| 第1四半期の調達 |
約25,000トン/目標350,000トン |
2026年、Manila Times ほか |
| 5月第1週時点 |
13,127トン=目標313,315トンの4.2% |
2026年5月、Manila Times |
| コメ在庫 |
337,618トン(675万袋) |
2026年5月7日、NFA |
| 年末在庫目標 |
790,000トン |
2026年、NFA |
| 過去5年の平均調達 |
281,728袋/年 |
NFA |
- 理由:輸入禁止とエルニーニョ観測で民間業者が積極的に買い付け、NFAが価格で負けた(DA、2026年)。
- 対応:もみの水分含有率の許容範囲を12〜14%→11〜14%に緩和(2026年2月)して買取対象を拡大。
- 予算:NFAのもみ調達予算を2025年の90億ペソ→2026年は140億ペソへ増額(マルコス大統領、2026年)。
さらに雨季調達拡大分として 約200億ペソ規模 の言及もある(DA、2026年7月)。最大50万トンの買取を用意。
6-3. 36の精米施設(Masagana Agri-Food Infrastructure Modernization Program)
- 全国36か所の近代的収穫後処理施設(精米+乾燥+倉庫)を建設中。DAの旗艦事業、総額930億ペソ。
- 半数が今期の雨季収穫期に稼働、残りは次の乾季(NFA、2026年)。
- 第1号は2026年7月、イロイロ州ドゥマンガス(Dumangas)で稼働。
- 事業費 3億5,540万ペソ、時間10トンの精米機+日量240トンの機械乾燥機。
- 既存の農家804戸・農民組織41団体に加え、1,000戸超が裨益見込み。
- 1日あたり3,600袋の追加買付=2作期で約32.4万袋。地域のもみ吸収率を 10〜12% へ。
- 別枠で 100億ペソのNFA近代化計画:サイロ(Region 2・3)により保管期間を6か月〜1年→最大2年に延長。2026年末稼働予定。
- 1億8,400万ペソの穀物検査ラボ更新(2026年6月)。
7. RICE法案 ── NFAの権限を戻すか
| 項目 |
内容 |
| 正式名 |
Rice Industry and Consumer Empowerment(RICE)Act |
| 法案番号 |
House Bill No. 1(提出者:レイテ州第1区 Ferdinand Martin Romualdez 前下院議長)/Senate Bill No. 1618 |
| 状態 |
2026年8月時点で未成立=審議中。LEDAC(大統領・議会指導部合同)で最優先案件に位置づけ |
| 主要条項① |
NFAが消費者へ直接販売可能に。上限は毎月「在庫の4分の1」(NFA評議会の判断で引き上げ可) |
| 主要条項② |
NFAの立入検査・倉庫データベース更新権限を復活。差押命令・行政罰の権限も(RA 12022の執行機関として) |
| 主要条項③ |
RCEF受益者向けに委託精米を可能に |
| 主要条項④ |
もみの下限価格(floor price)を全国・地域・州レベルで設定 |
| 留保 |
注 輸入権限の全面復活は想定されていない(下院農業委員長 Wilfrido Mark Enverga) |
アナリストの指摘(BusinessWorld、2026年1月):RICE法の効果は「NFAが実際にいくら買えるか」次第。
上記6-2のとおり、2026年の調達実績は目標の数%にとどまっており、法律より執行が問題という見方は強い。
8. セーフガード調査・輸入抑制の各種手段(2026年)
| 手段 |
内容 |
状態 |
| セーフガード調査 |
2026年3月26日開始、4月15日にWTOセーフガード委員会へ通報。申立人は FFF と Magsasaka党名簿 |
関税委員会(Tariff Commission)の勧告は2026年9月見込み |
| DA省令18号 |
2026年6月24日。輸入増と国内産業の重大な損害の因果関係を認定し、案件を関税委員会へ移送 |
完了 |
| 農民側の要求 |
現行15%に上乗せして「セーフガード関税30%」、およびMAV(最低輸入枠)方式の見直し |
2026年8月4日申立 |
| 5%破砕米の輸入停止 |
2026年7月、DAが農家・輸入業者・業者から「5%破砕米を輸入しない」原則合意を取得。25%破砕米以下のみ許可の方針 |
法的拘束力は弱い「合意」段階。正式停止は9月以降の可能性 |
| イロイロ港の陸揚げ禁止 |
2026年9月中旬〜11月末、イロイロ諸港での輸入米陸揚げを停止 |
決定済(2026年7月14日発表) |
| P50価格上限 |
EO 118により5%破砕輸入米の小売上限を 50ペソ/kg に。60ペソ到達を受けた措置。NPCCが15日ごとに見直し |
注 失効日について報道が割れる(6月13日/6月30日)。DAは60日延長を勧告(2026年7月1日)。最終承認は未確認 |
注 RA 11203はQR(数量制限)そのものを廃止したため、新たな数量制限は RA 8800(セーフガード措置法)経由でしか導入できない。「QR復活」という表現は法的に不正確。
9. 輸入量の推移 ── 旧稿の数字を訂正する
| 年 |
輸入量 |
出典 |
| 2022年 |
210万トン |
BPI/Inquirer分析(2026年) |
| 2024年 |
468万〜480万トン(過去最高) |
BPI |
| 2025年 |
337万〜339万トン(前年比 約▲30%) |
BPI/Rappler(2026年) |
| 2026年 第1四半期 |
126万トン(前年同期比 +37%) |
BPI |
| 2026年 1〜5月 |
231万トン(+20%) |
BPI |
| 2026年 上半期 |
275万トン=2019年の統計開始以降で過去最高(前年同期229万トンから +20.1%) |
BPI(2026年7月) |
| 2026年 8月3日時点 |
330万トン |
DA(2026年8月) |
| 2026年 通年(DA目標) |
360万〜380万トン/のち480万トンへ上方修正 |
DA |
| 2026年 通年(USDA予測) |
570万トン(560万トンから上方修正) |
USDA FAS(2026年) |
注旧稿の「2025年 470万トン」は誤り。 これは 2024年 の数字である。
「2022年210万トン→2025年470万トン」という対比は複数の分析記事で流通しているが、
BPIの確定値では2025年は337万トン。輸入禁止(9〜12月)で実際には約30%減っている。
ただし 2026年上半期は過去最高の275万トン であり、「輸入依存が縮小した」という結論にもならない。年ではなく期間で見ること。
供給国(2026年)
| 国 |
シェア |
| ベトナム |
1〜4月で146万トン=86%超(1〜2月は約87%、第1四半期は約85%) |
| タイ |
1〜2月で61,316トン |
| ミャンマー |
同 40,975トン |
| カンボジア |
同 9,660トン |
「世界最大のコメ輸入国」という主張について:指標は「輸入数量(volume)」である。
USDA FAS基準で2023年以降フィリピンが数量トップ(2026年で4年連続)。
注 ただし 金額ベースでは年によりインドネシアが上回る(インドの輸出禁止期間に高値で買ったため)。
「世界一の輸入国」と書くときは 数量ベース と明示すること。
10. 生産・自給率・作付けストライキ
10-1. 生産の実績(PSA)
| 時点 |
もみ生産量 |
前年同期比 |
| 2023年 |
2,006万トン(当時の過去最高) |
+1.5% |
| 2026年 第1四半期 |
440万トン=6年ぶり低水準(2020年の426万トン以来) |
▲6.26% |
| 2026年 第2四半期 |
462.9万トン=1987年以降の同期最高 |
+5.7% |
| 2026年 上半期 計 |
902万トン |
▲0.6% |
| 2026年 7〜9月(見込み) |
325万トン |
▲13.3% |
| 2026年 通年(DA予測) |
2,028万トン → 1,987万トンへ下方修正 |
─ |
- 第2四半期の伸びの主因:収穫面積が +6.5% で104万ha(1987年以降の同期最高)。
UPRIS(上パンパンガ川灌漑事業)3万haの復旧(DA、2026年)。
- 灌漑田は +6.95%(400万トン)、天水田はほぼ横ばい(+0.24%、635,777トン)。灌漑の有無が明暗を分けている。
- 単収は 4.50→4.48トン/ha と微減。注 面積で稼いだ増産であり、生産性は改善していない。
- 上位産地(2026年第2四半期):カガヤン・バレー 120万トン(25.8%)、中部ルソン 110万トン(23.7%)、ビコール 34.6万トン(7.5%)=合計57.1%。単収首位は中部ルソンの5.94トン/ha。
- 注 西ビサヤは天水田不振で ▲13.1%(PSA、2026年第2四半期)。全国平均の裏で地域差が大きい。
10-2. 作付けストライキとFFFの警告
FFF(全国自由農民連盟)は 2026年第4四半期の生産急減 を予測。挙げる理由:
過剰かつ時期の悪い輸入
エルニーニョ(DA試算で もみ▲75万トン)
肥料コスト(世界の石油・ガス価格ショックの波及)
農地転用(land conversion)
農家が作付けをやめていること(planting strike)
Inquirer分析(2026年7月)はこれに 「作付け意向そのものの崩壊」 を加え、
各要因の単純合計より大きな減産になると論じている。
10-3. 食料自給率(SSR)
| 年 |
コメ自給率 |
備考 |
| 1998年 |
72.1% |
従来の最低記録 |
| 2024年 |
71.7%=1988年の統計開始以降で最低 |
輸入468万トンの反映 |
| 2025年 |
78.1%(+6.4ポイント) |
PSA(2026年8月18日公表) |
| 2026年目標 |
84% |
DA |
| 2028年目標 |
約90% |
DA |
注 知らないと間違える点⑤:自給率は「輸入が減れば自動的に上がる」。
FFFのRaul Montemayor氏の指摘:2025年の上昇は主に4か月の輸入禁止で分母(総供給)が縮んだ結果であり、生産はほぼ横ばい。
「国内生産÷総需要」で測るべきだ、という批判がある。
元農業次官 Fermin Adriano 氏は 84%目標を「実現不可能」 と評価。追加で精米ベース160万トン(もみ約300万トン)が必要になるため。
PSAの定義は「国内生産÷国内利用」で、FAO国際基準に沿うとしている。
10-4. 注 1人あたり消費量は出典で2倍近く違う
| 出典 |
1人あたり年間消費 |
| FAOSTAT(2023年) |
約194〜200kg |
| 国内の食用ベース推計 |
約119kg(実質100〜110kgとの分析も) |
注 FAOSTATは種子・飼料・ロスを含む供給ベース、国内推計は食用ベース。政策議論では 100〜130kg を使うのが無難。
コメはフィリピン人の摂取カロリーの約35%を占める。稲作農家は約240万戸(2020年)。
CPI(消費者物価指数)におけるコメのウェイトは 全世帯 8.87%、下位30%所得層 17.87%(PSA)。だからコメ価格は即座に政治問題になる。
11. 消費者側 ── 小売価格・インフレ・P20コメ
| 指標 |
数値 |
時点・出典 |
| コメの物価上昇率 |
▲14.3%(記録的デフレ) |
2025年6月、PSA。1995年の統計開始以降で最大の下落 |
| コメのデフレ縮小 |
1月 ▲8.5% → 2月 ▲3.4% |
2026年、PSA |
| 総合インフレ率 |
2.4%(3か月連続上昇、年初来平均2.2%) |
2026年2月、PSA。政府目標2〜4%内 |
| 普通精米(regular milled) |
42.95ペソ/kg(2025年11月)→ 45.27ペソ/kg |
2026年2月、PSA |
| 普通精米 |
49.30ペソ/kg |
2026年7月第1週、PSA |
| 上精米(well milled) |
58.33ペソ/kg(5月初)→ 56.15ペソ/kg |
2026年6月後半、PSA |
| 輸入米(プレミアム) |
50ペソ/kg(上限規制) |
2026年6月、DA Bantay Presyo |
P20コメ(20ペソ/kgコメ)プログラム
| 項目 |
内容 |
| 法的根拠 |
2025年2月3日にDA長官が「食料安全保障緊急事態」を宣言(RA 12078に基づく/NPCC勧告)。2026年1月時点で継続中、解除は未確認 |
| 目標 |
2026年末までに1,500万世帯(約6,000万人)。パンガシナン州全域から拡大 |
| 予算 |
注 230億ペソという報道と100億ペソ+追加という長官発言があり食い違う(2026年)。確定値は未確認 |
| 上限 |
1世帯あたり 月10kg |
| 対象 |
高齢者、ひとり親、障害者、貧困世帯・4Ps、農民、漁民、公共交通運転手・事業者(2026年4月時点) |
12. 他品目の需給 ── コメだけ見ていると外す
12-1. 砂糖(SRA)
| 項目 |
内容 |
| Sugar Order No. 1(2025年9月29日) |
2025-26年度の生産全量を国内向けに配分。生産見込み 192万トン(前年比 ▲7.9%) |
| リスク |
赤条軟介殻虫(red-striped soft scale insect, RSSI)の発生とネグロスの多雨 |
| 前例 |
国内向けを絞ったのは2020-21年度以来(当時は93%国内/7%米国向け) |
| Sugar Order No. 2(2026年1月14日) |
米国WTO関税割当(TRQ)向けに最大30万トンを輸出可(国内3:輸出1の比率、先着順) |
| 精製糖輸入 |
2025-26年度の到着は 199,909トン(原糖換算214,000トン)。すべて前年度SO 8(2025年7月、424,000トン承認)分。2026年3月時点で新規輸入命令なし |
| Sugar Order No. 4 |
バイオエタノール原料(糖蜜・砂糖・サトウキビ・シロップ)の輸入に国家バイオ燃料委員会(NBB)の承認を義務化 |
| 年度変更 |
注 2025年7月8日の通達32-A で、販売年度を「9月1日〜8月31日」から「10月1日〜9月30日」に変更。過去データとの接続に注意 |
| 2026/27見通し |
生産 約▲1%(USDA FAS)。エルニーニョと作付面積の制約 |
12-2. トウモロコシ・小麦(USDA FAS)
| 品目 |
2026/27年度見通し |
| トウモロコシ生産 |
828万トン(+0.1%=ほぼ横ばい)、作付面積248万ha(横ばい) |
| トウモロコシ消費 |
1,025万トン(+1%)。飼料等 580万トン(+0.9%)、食用・種子・工業用 445万トン(+1.1%) |
| トウモロコシ輸入 |
200万トン(+2.6%) |
| 黄トウモロコシ |
約74%が飼料向け。飼料用の自給率は57%にとどまる |
| TRQ(HS 1005) |
最低輸入枠(MAV)216,940トン |
| 小麦 |
国内生産ゼロ。2026/27年度に約700万トン輸入見込み |
| 飼料用小麦 |
注 2025年9〜12月頃から輸入飼料用小麦の価格が飼料用トウモロコシを上回り、代替メリットが消失。在庫は減少見込み。豪州がシェア99%超 |
USDA FASマニラは2026年6月、投入コスト上昇・ダム貯水量低下・作付け意向の弱さを理由に、2026/27年度の精米・トウモロコシ生産予測を下方修正した。
12-3. 野菜・玉ねぎ(2026年の逆転劇)
| 時点 |
赤玉ねぎ生産者価格 |
| 2026年1月 |
120〜150ペソ/kg |
| 2026年2〜3月 |
22〜40ペソ/kg へ崩落 |
- 原因:国内収穫と承認済み緩衝用輸入(約4,000トン)の到着が重なった。上院が決議で調査。
- 小売(PSA、2026年5月後半):赤玉ねぎ 138.57ペソ/kg(5月前半141.72、その前150.92)。
- 人参(2026年5月後半):168.10ペソ/kg。注 2025年5月の107.57ペソ/kgから大幅高。
- 「輸入と国内収穫のタイミングのミスマッチ」はコメ・玉ねぎ・砂糖に共通する構造問題である。
13. 畜産 ── アフリカ豚熱(ASF)と鶏卵
13-1. ASF(African Swine Fever)
| 項目 |
内容 |
| 発生 |
2019年7月に初確認。以後、地域を移りながら再燃を繰り返す |
| 感染状況 |
2025年12月31日の98バランガイ → 2026年1月中旬に8バランガイ(▲92%)(BAI)。2026年6月初時点でも8バランガイで活発な感染 |
| ワクチン |
ベトナム AVAC 社の生ワクチンの商業流通許可を2026年第3四半期にも付与見込み(DA)。BAI登録の生物製剤販売店等で流通 |
| 国産ワクチン開発 |
243万米ドル規模の開発プログラム |
| 母豚導入 |
32,000頭の後継雌豚(gilts)を政府調達して繁殖基盤を再建 |
| 生産量 |
2024年 170万トン → 2025年 166万トン(全国豚生産)。2026年は 98万トン CWE(+2%) 見込み(USDA FAS) |
| 生体豚価格 |
2026年5月1日週で肥育豚 183〜193ペソ/kg、子豚 約4,300ペソ/頭 |
| 収益性 |
注生産者価格170〜185ペソ/kg に対し生産費は180〜200ペソ/kg。持続可能な水準は200〜230ペソ/kg=採算割れが常態 |
13-2. 鶏卵・鳥インフルエンザ
- 2026年の問題は「不足」ではなく「小玉卵の供給過剰」。生産者価格が圧迫され、燃料由来のコスト増が重なる(2026年7月、業界)。
- 対応:養鶏生計支援プログラムを立ち上げ(2026年7月)。
- 背景:2024年の供給過剰と需要低迷で採卵鶏の淘汰(culling)が進み、2025年初にはDAが「卵不足の恐れ」を警告。注 業界(Philippine Egg Board Association)は「不足ではなく過剰」と反論しており、政府と業界の見立てが割れている典型例。
- DAの対策:採卵鶏の輸入迅速化、鳥インフルワクチンのFDA承認推進、全国畜産計画から3億ペソをワクチン試験に充当。
- 注 フィリピン国内の2026年の鳥インフル被害額を示す一次資料は今回確認できず=未確認。
- 欧米の鳥インフルは親系統(parent stock)の調達を通じてフィリピンに波及する。米国では2022年以降、食用鳥類 約1億8,500万羽が処分され、2026年6月時点で12州の商業農場で検出(米報道)。
14. 気候変動と農業被害額
14-1. 2025年の主な被害(DA)
| 災害 |
農業被害額 |
影響 |
| 台風 Crising・Emong・Dante +南西モンスーン |
35億3,000万ペソ |
CARからSOCCSKSARGENまで(2025年8月7日、DA DRRM-OC) |
| 熱帯低気圧 Mitag/スーパー台風 Ragasa |
13億8,000万ペソ(約2,400万米ドル) |
9地域、農漁民55,595人、47,723ha |
| 台風 Uwan(Fung-Wong) |
31億7,000万ペソ |
農民34,000人超、農地 約26,000ha。高付加価値作物15億2,000万ペソ、コメ14億7,000万ペソ |
| 台風 Tino(Kalmaegi) |
24億9,000万ペソ(最終集計) |
農漁民 120,361人 |
| Uwan+Tino 合計 |
41億4,000万ペソ超 |
2025年11月、DA |
| (別枠)砂糖 |
12億ペソ超、53,000ha超のサトウキビ畑、製糖工場4か所が一時停止 |
ビサヤ、SRA |
| (別枠)カタンドゥアネス |
最大10億ペソ(アバカ・ココナツ・漁業)。アバカだけで約7億ペソ |
2025年 |
14-2. エルニーニョ(2026年)
- 2026年10〜12月にエルニーニョ状態が継続する確率は83%(USDA FAS引用)。
- DA試算:もみ生産を約75万トン押し下げる可能性(2026年8月)。
- これが「2026年に輸入禁止をしない」最大の理由になっている。
14-3. 作物保険(PCIC)
| 項目 |
数値 |
| 台風Tino後の速報査定 |
保険加入農民 32,247人、推定支払 2億5,060万ペソ |
| 注 母数 |
全国の農場は743万か所、うち98.7%が7ha未満 = 加入率は極端に低い |
| 2026年予算 |
65億ペソ(前年比 +45%、過去最高) |
| カバー目標 |
368万人(2025年 329万人から +12%) |
| 制度改正 |
2026年5月の保険委員会(IC)改正案で、パラメトリック/指数型保険を正式に認め、協同組合・農民団体による販売を可能にする方向 |
15. 飢餓・貧困 ── 「生産が増えても飢えは減らない」
| 指標 |
数値 |
出典 |
| 非自発的飢餓の経験世帯 |
23.2%(2025年11月の20.1%から +3.1ポイント) |
SWS、2026年3月24〜31日調査(全国1,500人・対面) |
| 内訳 |
中程度17.7%/深刻5.5% |
SWS |
| 地域別 |
ビサヤ28.0%、バランス・ルソン22.4%、メトロマニラ22.0%、ミンダナオ21.7% |
SWS |
| 自己評価「貧しい」 |
52%/「食料が貧しい」42% |
SWS |
| 農業のGDP寄与 |
8.1%(2026年第1四半期、3大産業で最小) |
PSA |
| 農業の雇用シェア |
約22%(2023年、世界銀行/ILO推計) |
注推計値 |
| 貧困率 |
漁民27.4%/農民27.0%(2023年) |
PSA |
| 農業部門の成長率 |
2025年 +3.1%=2017年以来の高さ、PDP 2023-2028目標(1.8〜3.3%)に初到達 |
PSA/DA |
| 2026年第2四半期の農業成長 |
+2.9% |
PSA |
2026年第1四半期、農業部門は8年ぶりの好調を記録した一方で、飢餓を経験した世帯はコロナ禍平均(21.1%)を上回った。
問題は総生産ではなく、所得・分配・アクセスにある。
16. 不正・執行 ── 農業経済破壊防止法(RA 12022)
| 項目 |
内容 |
| 成立 |
2024年9月26日、マルコス大統領署名。RA 10845(2016年反農産物密輸法)を廃止 |
| 対象 |
密輸・買占め・暴利・カルテルを「農業経済破壊(agricultural economic sabotage)」と定義 |
| 罰則 |
保釈不可、終身刑、物品価額の最大5倍の罰金。資金提供者・ブローカー・従業員・運送業者も対象 |
| 管轄 |
税務控訴裁判所(Court of Tax Appeals)の専属管轄 |
| 執行状況 |
注 2026年2月時点で、関税局が9,000万ペソ超の3荷主に対し刑事告発6件を財務省へ送付した段階(白玉ねぎ・人参・冷凍サバなど)。コメ密輸での有罪判決は今回の調査では確認できず=未確認 |
| 注 過去実績 |
2018〜2024年に85億9,000万ペソ相当の農産物で250件を提訴し、有罪はわずか4件(関税局) |
17. 論点整理 ── この問題をどう読むか
| 対立軸 |
農家側の主張 |
消費者・経済官庁側の主張 |
| 輸入 |
過剰・時期が悪い。もみ価格を殺す |
供給と価格安定に不可欠。エルニーニョ対策 |
| 関税 |
30%のセーフガード関税を上乗せせよ |
上げれば小売価格に転嫁、CPIの8.87%を直撃 |
| NFA |
権限を戻し、下限価格を設定せよ |
財政負担・非効率・過去の腐敗の記憶 |
| 自給率 |
84%目標を本気で追うべき |
追加300万トンのもみが必要で非現実的 |
| RCEF |
増額しても届いていない |
予算執行率が低いのは受け手側の吸収力の問題 |
2026年の最大の皮肉: 政府は「農家保護」を最優先に掲げ、輸入禁止・港湾制限・買取価格引上げ・セーフガード調査をすべて動かしている。
にもかかわらず、上半期の輸入は統計開始以来の最高値(275万トン)を記録した。
理由は エルニーニョへの備えであり、政策目標が 「農家の価格」と「消費者の供給」で正面衝突している ことを示す。
注 IBON Foundation の批判(2026年): 2026年のDA予算のうち、RCEF 300億ペソの半分(150億ペソ)が大統領承認を要する「その他優先事業」枠であり、
他項目と合わせて250億ペソ以上が大統領の裁量下にある。洪水対策事業の汚職スキャンダル後、資金が農業に付け替えられただけ、という指摘。
これは政府統計ではなく市民団体の主張である点に注意。
18. 年表(2019年→2026年)
| 時期 |
出来事 |
| 2019年2月14日 |
RA 11203(コメ関税化法)署名。QR撤廃、関税35%、NFAの輸入・価格権限剥奪、RCEF年100億ペソ |
| 2019年7月 |
ASF(アフリカ豚熱)初確認 |
| 2024年6月20日 |
EO 62:コメMFN関税を 35%→15%(2028年までの税率表) |
| 2024年9月26日 |
RA 12022(農業経済破壊防止法)署名 |
| 2024年12月9日 |
RA 12078:RCEFを2031年まで延長、年300億ペソへ。NFAに緊急時の在庫放出権限 |
| 2024年(暦年) |
輸入 468万〜480万トン(過去最高)、自給率 71.7%(37年ぶり低水準) |
| 2025年2月3日 |
食料安全保障緊急事態を宣言。NFA在庫を放出、P20コメへ |
| 2025年6月 |
コメ物価 ▲14.3%(1995年以降で最大のデフレ) |
| 2025年9月1日 |
EO 93:60日間の輸入停止 |
| 2025年11月 |
EO 102:12月31日まで延長/EO 105:価格連動関税を制定 |
| 2025年11月 |
台風Uwan・Tinoで農業被害 41億ペソ超 |
| 2025年(暦年) |
輸入 337万トン(▲30%)、自給率 78.1% |
| 2026年1月1日 |
輸入再開。関税は15%据え置き(トリガー未達) |
| 2026年3月26日 |
セーフガード調査開始(4月15日WTO通報) |
| 2026年4月 |
NFAが一部地域で乾燥もみを最大30ペソ/kgで買取 |
| 2026年6月24日 |
DA省令18号:輸入増と国内産業損害の因果関係を認定 |
| 2026年7月2〜3日 |
5%破砕米の輸入自粛で業界と合意(25%破砕以下のみ) |
| 2026年7月14日 |
36施設の第1号(イロイロ州ドゥマンガス)稼働。同時に湿もみ最低21ペソ/kgとイロイロ港の陸揚げ停止を発表 |
| 2026年7月 |
上半期輸入 275万トン=過去最高 |
| 2026年8月4日 |
FFF等が30%のセーフガード関税を関税委員会に申立 |
| 2026年8月5日 |
「輸入禁止はしない」とDA長官が明言(エルニーニョ対応) |
| 2026年9月(予定) |
関税委員会のセーフガード勧告/湿もみ最低21ペソ/kg発効/イロイロ港の陸揚げ停止開始 |
19. 注 本稿で「未確認」とした事項(そのまま引用しないこと)
| 項目 |
状態 |
| 2026年第2・第3四半期の適用関税率 |
IAGRTA証明とBOC通達で要確認。第1四半期の15%以降、公式確認が取れていない |
| 「2026年1月に関税が20%へ」 |
誤りの可能性が高い(USDA FAS・Philstar・GMAは15%据え置きと報道) |
| 「2025年の輸入は470万トン」 |
誤り。2024年の数字。2025年はBPI確定値で337万トン |
| PSA「2025年8月=17.11ペソ/kg」 |
裏取りできず。確認できたのは2025年7月=16.40ペソ/kg |
| P50価格上限(EO 118)の60日延長の最終承認 |
DAが2026年7月1日に勧告。大統領承認の有無は未確認 |
| 食料安全保障緊急事態の解除 |
2026年1月時点で継続中。以後の解除は未確認 |
| P20コメの2026年予算(230億ペソ/100億ペソ) |
報道が食い違う |
| フィリピン国内の2026年鳥インフル被害額 |
一次資料を確認できず |
| RA 12022によるコメ密輸の有罪判決 |
2026年時点で確認できず(起訴・送付段階) |
| 「世界第8位のコメ生産国(世界生産の2.8%)」 |
出典が弱い。指標・年次を確認するまで使わない |
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