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フィリピンの自然災害 各論 ― 台風・地震・火山

情報基準日:2026-08-26 / 分野:災害・環境・気候


0. この資料の要点(先に結論)

災害種別 頻度・規模の目安 監督官庁 警戒スケール
台風(熱帯低気圧) 年平均約20個がPAR入り、うち8〜9個が国土を通過(PAGASA気候情報ページ) PAGASA(DOST傘下) TCWS 5段階(2022年3月23日採用)
地震 環太平洋変動帯の中心。海溝型+活断層型の両方 PHIVOLCS(DOST傘下) PEIS(フィリピン独自の震度階)
火山 活火山24(PHIVOLCS分類=「歴史時代=過去600年以内に噴火」または「若い火山噴出物の分析により過去1万年以内に噴火」) PHIVOLCS「Volcanoes of the Philippines」(2026-08-26 出典差し替え。phivolcs.dost.gov.ph はTLS証明書検証エラーで直接取得できなかったため、PHIVOLCS公表の24火山名を全件列挙した Philstar 2020-01-14「LIST: Active volcanoes in the Philippines」で内容確認) 警戒レベル 0〜5の6区分

フィリピンは WorldRiskIndex 2025 で世界最も災害リスクの高い国と評価され、これで 17年連続(2025年9月25日、Daily Guardian/BusinessWorld/GMA Networkが一斉報道)。順位の指標は「WorldRiskIndex(曝露×脆弱性の合成指数)」であり、「被害額が世界一」という意味ではない点に注意。

2026年は 2月28日に始まった中東紛争 が災害対応の財政・物流条件を大きく変えている。燃料高がインフレを押し上げ(2026年4月に 7.2%=37か月ぶり高水準/GMA Network・Rappler・Manila Bulletin)、BSPは4月23日に政策金利を 4.5% へ引き上げ(Rappler)、2026年第2四半期のGDP成長率は 2.3% に減速(2026年8月7日、GMA Network)。災害復旧予算の実質購買力は目減りしている。


1. 前提 ― なぜこの国は「三重苦」なのか

1.1 テクトニクス

フィリピン諸島は「フィリピン可動帯(Philippine Mobile Belt)」と呼ばれる、両側から沈み込みを受ける極めて珍しい構造の上にある(2026-08-26 出典差し替え:査読論文 ── Journal of Asian Earth Sciences 掲載 "Segmentation of the Manila subduction zone and slab tearing beneath the Philippine mobile belt"、および Aurelio ほかフィリピン可動帯の地質学文献。 本検証で確認できたのは要旨レベルであり、本文全文は未取得)。

構造 位置 性質
フィリピン海溝(Philippine Trench) 東側 フィリピン海プレートが西向きに沈み込む
東ルソン海溝(East Luzon Trough) 東側北部 上記の北方延長
マニラ海溝(Manila Trench) 西側(ルソン西方) スンダ(ユーラシア)プレートが東向きに沈み込む
ネグロス海溝・スールー海溝・コタバト海溝 西〜南西 マニラ海溝の南方系列

つまり 東西両側から挟み込まれている。これがフィリピンの地震・火山の根本原因である。

よくある誤解:「フィリピンは環太平洋火山帯の上にあるから地震が多い」という説明は間違いではないが不十分。日本と違い、一方向の沈み込みではなく双方向であり、さらに陸域を縦断する巨大横ずれ断層が加わる三重構造である。

1.2 フィリピン断層帯(Philippine Fault Zone, PFZ)


2. 台風 ― 数と警報体系

2.1 年間の数

PAGASA公式(気候情報ページ)は「この地域には年平均20個の熱帯低気圧が入り、うち約8〜9個がフィリピンを横断する」と明記。ピークは 7〜10月 で、年間発生の約70%がこの期間に集中するとしている。

「年平均20個」は PAR(Philippine Area of Responsibility=フィリピン責任領域)に入る数 であって、上陸数ではない。日本語記事で「年20個の台風が上陸」と書かれているものは誤り。上陸・通過は8〜9個が正しい。

PARはPAGASAが警報責任を負う海域として設定した独自の枠であり、国際的な予報責任区(JMAの北西太平洋)とは別物。PARに入ると同時にフィリピン独自名(現地名)が付くため、同じ台風に国際名とフィリピン名の2つが存在する。例:2021年の「Rai(国際名)=Odette(フィリピン名)」。

2.2 TCWS(Tropical Cyclone Wind Signal)5段階

2022年3月23日採用の現行体系(PAGASA公式 "Tropical Cyclone Wind Signal" ページ)。

シグナル 風速(10分平均) リードタイム 想定被害
No.1 39〜61 km/h 36時間 軽量構造物に軽微な被害、農作物に軽微な被害
No.2 62〜88 km/h 24時間 脆弱な建物に軽〜中程度の被害、一部停電、農作物にかなりの被害
No.3 89〜117 km/h 18時間 一般住宅の屋根にかなりの被害、広域停電、農作物に大被害
No.4 118〜184 km/h 12時間 粗悪な建築物は屋根が全壊するなど甚大な被害、ほぼ全域停電
No.5 185 km/h 以上(100ノット以上/51.3 m/s以上) 12時間 大半の構造物に深刻〜壊滅的被害、インフラ機能の長期喪失

(2026-08-25 検証で全段階の閾値を原典で再確認。出典:PAGASA 公式 "Tropical Cyclone Wind Signal" https://www.pagasa.dost.gov.ph/learning-tools/tropical-cyclone-wind-signal ─ No.1 39–61/No.2 62–88/No.3 89–117/No.4 118–184/No.5 185 km/h 以上「No.5=220km/h超」は現行基準ではない

シグナルは段階を飛ばして引き上げられることがある(急発達時)。発表単位は原則として州・市単位だが、特定の脅威に応じて市町単位で別扱いされることもある。

2022年3月より前の旧体系はNo.1〜No.5だが閾値が違う(旧体系は2015年改定でNo.5=220km/h超を導入していた)。ヨランダ(2013年)当時の「シグナル4が最高」という記述は当時の体系に基づくもので、現在の基準と直接比較してはいけない。新旧の混在が日本語ネット記事に多く残っている。

PAGASAは風の警報(TCWS)とは別に雨量警報(Yellow/Orange/Red)を発表する。近年の死者は風よりも豪雨・洪水・土砂災害によるものが圧倒的に多く、TCWSが低くても雨量警報が赤なら極めて危険。(本稿では各色のmm/時の閾値は原典に到達できず未確認。)

2.3 記録的な台風

国際名/フィリピン名 主な被害 出典
1991 Thelma/ウーリング(Uring) オルモック市で 4,922人、全国で 5,081人以上 死亡。3時間で約500mmの豪雨→鉄砲水 (2026-08-26 出典差し替え)Rappler「LOOK BACK: The 1991 flash flood that devastated Ormoc City」/VERA Files「Rising but remembering – Ormoc 28 years after the deadly flood」。当時のNDCC(現NDRRMC)原典には到達できず=一次資料未到達(2026-08-26時点)。オルモック市4,922人は市単独、5,081人以上は全国計で、行方不明1,941〜3,084人は別系列
2013 Haiyan/ヨランダ(Yolanda) NDRRMC最終集計で 死者6,300人・行方不明1,061人・負傷28,689人、被害額 約896億ペソ(2026-08-25 検証で「行方不明1,071人・負傷28,781人」を修正。2026-08-26 出典衛生工程でさらに2点訂正 ── ①負傷者は 28,688人ではなく28,689人。NDRRMC Sitrep No.107(2014-03-14)・同 No.108(2014-04-03)・同 2014-04-17 発表のいずれも 28,689 で一貫する。②被害額は、NDRRMC 2014-04-17 発表が 総額 約₱89.5〜89.6 billion(内訳:インフラ ₱9,584,596,305.69/生産部門 ₱21,833,622,975.09/社会部門 ₱55,110,825,740.69/横断部門 ₱3,069,023,613.41=合計₱89.598 billion)としており、従来記載の「954.8億ペソ(₱95.48 billion)」はこの4部門合計と一致しない₱95.48 billion は各種データベースでNDRRMC由来として流通するが、本検証ではその典拠となるNDRRMC文書に到達できなかった=一次資料未到達(2026-08-26時点)。両値を消さずに併記する。なおNEDAの₱571.1 billion は「損害+逸失利益」の別概念なので混同しないこと) (2026-08-26 出典差し替え)NDRRMC Sitrep No.107/No.108(ReliefWeb 収録)/Inquirer 2014-04-17「'Yolanda' toll now at 6,300 – NDRRMC」/Philstar 2014-04-17「NDRRMC: Yolanda deaths rise to 6,300」
2021 Rai/オデット(Odette) 死者 409人、行方不明80人、被害額 476億ペソ、影響1,300万人(国連推計)。9回上陸 (2026-08-26 出典差し替え)OCHA「Super Typhoon Rai (Odette) Humanitarian Needs and Priorities Revision」2022-02-02(NDRRMC・DSWD集計で死者409人、累計避難約320万人、9回上陸)/IFRC 緊急アピール最終報告 MDRPH045(死者405人・行方不明52人・負傷1,371人)。死者は409人(NDRRMC/DSWD)と405人(IFRC)の2系統がある。被害額476億ペソはNDRRMC最終報告の原典に到達できず=一次資料未到達(2026-08-26時点)
2024 Trami/クリスティーン(Kristine) ほか計6個 後述 同 "2024 Pacific typhoon season"
2025 Kalmaegi/ティノ(Tino) 死者 269人、行方不明113人。セブ州だけで150人以上 同 "Typhoon Kalmaegi"

1991年ウーリング=オルモック水害の教訓

ウーリングは熱帯低気圧としては弱い(熱帯暴風雨クラス)のに、フィリピン史上有数の死者を出した。理由は流域の荒廃である。オルモック市上流のアニラオ=マルバサグ流域(4,567ha)は森林率わずか3.3%まで低下しており(1970年代以降のココヤシ・サトウキビ農園化)、約500mmの雨を保水できなかった。さらに2河川の合流点が市街地直近にあり、コゴン橋が流下断面を約50%狭めていた。(2026-08-26 出典差し替え:VERA Files「Ormoc learns to tame nature's wrath after killer flood」/Rappler「23 years after the Ormoc tragedy: What's been done」=アニラオ・マルバサグ流域の荒廃と2河川合流点の地形、JICAの1998年以降のスリットダム3基〔Anilao/Biliboy/Malbasag〕を記述。「4,567ha」「森林率3.3%」「コゴン橋が断面を約50%狭めた」という個別数値の典拠には到達できず=一次資料未到達(2026-08-26時点)。なおマニラ天文台 環境研究部の報告は「違法伐採だけが原因ではなく、火山性土壌の浸食されやすさ・3時間の集中豪雨・高危険地区への居住」を併せて指摘しており、単因説で書かないこと

「台風の強さ=被害の大きさ」ではない。 フィリピンでは土地利用・排水インフラ・避難行動が被害を決める。ここを外すと現地リスク評価を誤る。

2013年ヨランダと高潮

ヨランダの死者の大半は風ではなく storm surge(高潮) による。 当時「storm surge」というタガログ語・ビサヤ語の等価語がなく、警告が「大波」程度に理解されて避難が進まなかったことが被害拡大の一因とされる。現在PAGASAは "daluyong" 等の現地語表現を併用している。

2024年の連続襲来

2024年10月19日〜11月20日の約1か月間に、6個の熱帯低気圧が相次いでフィリピンに影響した(2026-08-26 出典差し替え:一次資料未到達(2026-08-26時点)。PAGASAの年次熱帯低気圧報告書(Annual Tropical Cyclone Report)が本来の典拠だが、本検証では該当年版に到達できなかった。記述は残置するが、引用時はPAGASA原典で再確認すること)。

国際名/PH名 期間 上陸地・特記
1 Trami/Kristine 10/19〜29 10/24 イサベラ州ディビラカン上陸。カマリネス・ノルテ州ダエトで24時間528.5mm=1920年代以降の最大。死者162人、被害184億ペソ
2 Kong-rey/Leon 10/24〜11/1 ピーク240km/h・925hPa。主に台湾直撃
3 Yinxing/Marce 11/1〜12 11/7 カガヤン州に2回上陸
4 Toraji/Nika 11/8〜15 11/11 アウロラ州ディラサグ上陸
5 Usagi/Ofel 11/9〜16 11/14 カガヤン州バッガオ上陸
6 Man-yi/Pepito 11/9〜20 11/16 カタンドゥアネス、11/17 アウロラに上陸。ピーク260km/h・920hPa

同シーズンは「11月に4つの擾乱が同時に活動した、信頼できる観測記録上初の事例」であり、単一シーズンの引退名が9個で最多となった(2026-08-26 出典差し替え:一次資料未到達(2026-08-26時点)。「同時活動4個」はJMA/PAGASAのベストトラック、「引退名9個」はPAGASAの命名リスト改定告示およびESCAP/WMO台風委員会の年次総会文書が原典。いずれにも本検証では到達できなかった。記述は残置するが単独引用しないこと)。

Kristineの死者は「162人」と「NDRRMC公式159人」の2系統が流通している。報道集計と政府確定値のズレであり、公式引用ではNDRRMC値を使うこと。

2025年11月の連続災害

災害の「連鎖」がフィリピンの本質的リスクである。単発の最大級イベントより、復旧が終わらないうちに次が来る構造の方が、事業継続上は深刻。

2.4 2026年シーズンの状況(進行中)

2026年8月時点で、PARには少なくとも十数個の擾乱が入っている(2026-08-26 出典差し替え:一次資料未到達(2026-08-26時点)。シーズン進行中の計数はPAGASAの日次 Tropical Cyclone Bulletin/Severe Weather Bulletin が唯一の公的典拠であり、すべて暫定値。数を引用する場合は必ずPAGASA公報の日付を添えること)。

PH名(国際名) 期間 フィリピンでの主な影響
Ada(Nokaen) 1/13〜22 死者3人、被災832,986人、避難60,384人
Basyang(Penha) 2/3〜7 死者12人・負傷36人、避難28,000人、被害約14.8億ペソ
Domeng(Jangmi) 5/26〜6/3 避難85,295人
Inday(Bavi) 6/30〜7/15 死者23人・行方不明18人。ピーク205km/h
Luis/Maymay(Kujira) 7/31〜8/6 死者13人・行方不明9人、農業被害約6.90億ペソ
Neneng(Gaenari) 8/18〜 発生中

PAGASAの季節予報は揺れている。2026年1月30日には「2〜6月に4〜11個」(GMA Network)、2月25日には「ラニーニャは夏までに弱まり、6〜14個の見込み」(GMA Network)と発表。 2026年3月までにラニーニャは終息し、5月中旬にはエルニーニョ発生確率79% と報じられた。エルニーニョ年は台風の発生数は減るが個々が強く、発生位置が東へずれて発達時間が長くなる傾向があり、「数が少ない=安全」ではない。


3. 地震

3.1 西バレー断層と「ビッグワン(The Big One)」

首都圏の最大リスク。マリキナ・バレー断層系(Marikina Valley Fault System)の西側セグメントである。

項目 内容
名称 西バレー断層(West Valley Fault, WVF)
全長 出所により2つある(2026-08-26 出典衛生工程で帰属を訂正) ── ①PHIVOLCS自身の公表値は「約100km」(東バレー断層は約10km)。2015年5月18日の「Valley Fault System Atlas」公表時、ソリドゥム所長(当時)は "The West Valley fault is roughly 100 kilometers" と述べ、断層長がM7.2という想定規模の上限を決めると説明した(Inquirer 2015-05-19「Do you live in quake zone? New Phivolcs maps trace 100-km West Valley Fault」)。②129.47km(EVF 17.24km)は、PHIVOLCS 2015年版の断層トレースGISデータを第三者〔Schadow1 Expeditions〕が実測した派生値であり、PHIVOLCSが公表した数字ではない従来「129.47km=PHIVOLCS集計、約100kmは日本語圏の概数」と書いていたのは帰属が逆で誤り。訂正した。数値を引用するときは①か②かを必ず明示すること
通過地 ブラカン州ドニャ・レメディオス・トリニダードからラグナ州カランバまで。ケソン市、マリキナ、パシッグ、タギッグ、ムンティンルパを縦断し、カビテ州・ラグナ州にも及ぶ
断層型 右横ずれ(dextral strike-slip)優勢
東バレー断層(EVF) 17.24 km、リサール州のロドリゲス〜サンマテオ間、斜め右横ずれ
ひずみ蓄積速度 年10〜12mm
過去の活動 1658年、および1771年
想定規模 M7以上。最大 M7.6 の評価も

MMEIRS(Metro Manila Earthquake Impact Reduction Study/JICA・PHIVOLCS・MMDA共同、2004年) のM7.2西バレー断層シナリオでは、死者約34,000人という数字が広く引用されている(例:GovTech, 2015年7月30日 "The Big One Could Kill 34,000 in the Philippines")。 (2026-08-26 出典衛生工程で一次資料に当たり、数値を訂正) MMEIRS最終報告書(JICA公開文書 openjicareport.jica.go.jp)の Model 08(西バレー断層M7.2、最悪シナリオ) の記載は、死者34,000人/負傷114,000人/住宅全壊170,000戸/住宅半壊340,000戸、加えて約1,710haが延焼し二次災害として18,000人が死亡、である。従来併記していた「死者約35,000人・負傷12万人超・避難300万人超」は原典と一致しないため差し替えた(「12万人超」は114,000人の丸め、「避難300万人超」はMMEIRSの死傷者表には現れない)。

この「3万人超」は2004年の調査に基づく20年以上前の推計値である。人口・建物ストックとも大きく変わっており、確定値ではなくシナリオ推計として扱うこと。 また「死者3万人」と「死者5万人超」の2系統が流通するのは、MMEIRSが建物倒壊による死者と火災による死者を分けて算出しているためで、合算値を引用するか否かで数字が変わる。どちらを引用しているか明示するのが実務上の安全策。

2026年の対応:6月18日に全国一斉地震訓練(Office of Civil Defense主催) を実施。マリキナ市だけで15万人が参加した(2026年6月16日、GMA Network)。同日、政府は地震対応の Harmonized National Contingency Plan を発表(DZRH)。四半期ごとの訓練体制が定着しており、直近は3月12日にも実施。2025年10月28日にはPHIVOLCSが「M7〜8の『ビッグワン』級は西バレー断層以外にもあり得る」と警告している(GMA Network)。

3.2 主な被害地震(2013年以降)

発生日 規模 震源 死者 特記
2013/10/15 Mw7.2 深さ12km ボホール島(北ボホール断層=逆断層) 222人(不明8、負傷796 7.3万棟超が損壊、1.45万棟が全壊。被害額22.5億ペソ。ロオン、ロボック、マリボホックなど歴史的石造教会10件が損壊。被災320万人超
2023/11/17 Mw6.7〜6.8 深さ52km サランガニ州 11人 負傷730人(うち約450人はパニックによる)。542棟以上が倒壊
2023/12/02 Mw7.6 深さ40km スリガオ・デル・スル州ヒナトゥアン沖 3人 フィリピン海溝の沈み込み境界での斜めスラスト。津波はマウェス島で64cm、日本でも最大40cm観測。被害約12億ペソ、余震8,403回
2025/09/30 Mw6.9 深さ5km ボゴ市の東北東 約19km 沖ボゴ湾断層=右横ずれ、それまで無名) 79人負傷559 北部セブ観測史上最強。最大震度MMI IX。被害額は道路等7.33億ペソ、教育分野を含む総額 126.9億ペソ。住家損壊160,662棟
2025/10/10 Mw7.4と6.7〜6.8の連発(doublet) ダバオ・オリエンタル州沖 10人(負傷176) 津波:タンダグで 30cm。7州に警報。9月30日のセブ地震とは無関係と判定
2026/06/08 Mw7.8 サランガニ湾沖(マラパタン、グラン、ヘネラル・サントス周辺) 後述 2026年最大の国内災害

2025年秋の「セブ→ダバオ」の連続は、日本語圏で「連動」と誤って書かれた例がある。PHIVOLCS/各報道は無関係と結論している。

3.3 2026年6月8日 サランガニ沖 M7.8

2026年に入って最大の災害。死者数は報道の時系列で大きく変動しており、引用時は必ず日付とソースをセットで示す必要がある。

日付 死者 出典
6/9 37人 NBC News/GMA Network
6/12 46人に下方修正(重複計上の精査) Inquirer.net/ONE News
6/15 65人(不明36) Philstar
6/16〜18 78人(不明33)、被災150万人 Inquirer.net
6/26 81人・行方不明31人、被災 160万人超、被害額 13億ペソ超 NDRRMC(GMA Network/Daily Tribune)
7/1 88人 Philippine News Agency(NDRRMC)
7/5 92人(大半がサランガニ州グランとヘネラル・サントス市) MindaNews「発災1か月」

「死者106人」という数字は、本調査で到達できた原典では確認できなかった=未確認。 確認できた最大値は 92人(MindaNews, 2026年7月5日)、政府公式では 81人+行方不明31人(NDRRMC, 2026年6月26日) 行方不明者が死亡認定されれば100人超に達しうるが、2026年8月25日時点でその公式発表は確認できていない。引用の際は「81人+不明31人(NDRRMC)」または「92人(MindaNews)」とし、106人という数字は使わないこと。

その他の確定的な特徴: - 河川の流路が変わったほどの地殻変動があり、インフラ被害は当初12億ペソ(6/18, Inquirer.net)から 23億ペソ(6/25, Inquirer.net)へ拡大 - 6月9日にマルコス大統領が被災地訪問。6月17日に上院がリハビリ予算決議を提出(Daily Tribune) - 2026年8月5日時点で「復旧2か月目に再び揺れ」(Tech Times)と報じられており、余震活動が継続 - 同じサランガニ州では 2023年11月にもM6.7〜6.8 が起きている。この地域はコタバト海溝〜モロ湾系の活動域として継続監視が必要


4. 火山

4.1 活火山の数と定義

PHIVOLCSは24火山を「活火山」に分類(2026-08-26 出典差し替え:PHIVOLCS「Volcanoes of the Philippines」の分類=歴史時代〔過去600年以内〕に噴火、または若い火山噴出物の分析で過去1万年以内に噴火。24火山の全名称は Philstar 2020-01-14「LIST: Active volcanoes in the Philippines」に PHIVOLCS 出典として列挙されている ── Babuyan Claro/Banahaw/Biliran〔Anas〕/Bud Dajo/Bulusan/Cabalian/Cagua/Camiguin de Babuyanes/Didicas/Hibok-hibok/Iraya/Iriga/Isarog/Kanlaon/Leonard Kniaseff/Makaturing/Matutum/Mayon/Musuan〔Calayo〕/Parker/Pinatubo/Ragang/Smith/Taal。phivolcs.dost.gov.ph はTLS証明書検証エラーで直接取得できず)。うち 21火山に歴史時代の噴火記録があり、残り3つは強い噴気活動はあるが噴火記録がないもの。「活火山」の数は定義に依存する ── スミソニアンGVPは完新世火山23、英語圏の集計では27とするものもあるため、必ずPHIVOLCS基準である旨を添えること。

分類基準:過去600年以内に人的記録を伴う噴火があったもの、または完新世(過去1万年)以内に噴火したもの

「24」という数字はPHIVOLCSの分類定義に基づくものであり、Smithsonian GVP など他機関のカウントとは一致しない。「フィリピンの活火山は◯個」と言うときは必ず出典機関を明示すること。

4.2 警戒レベル(Volcano Alert Level)0〜5

6区分(レベル0〜5)。以下はタール火山向けの基準(2026-08-26 出典差し替え:PHIVOLCS「Volcano Alert Level System — Taal Volcano」が原典。 phivolcs.dost.gov.ph はTLS証明書検証エラーで直接取得できず=一次資料未到達(2026-08-26時点)。区分表そのものは残置するが、実務で使う前に必ずPHIVOLCS公式の当該火山用アラートレベル表を確認すること)。 火山ごとに閾値の具体数値は異なる(マヨン、カンラオン、ブルサンでは別基準表が使われる)ため、数値をそのまま他火山に当てはめてはいけない。

レベル 呼称 状態 意味
0 Normal(平常) 火山性地震おおむね5回/日未満、主火口湖のCO₂放出1,000t/日未満、水温35℃未満 静穏。ただし水蒸気爆発は前触れなく起こりうる
1 低レベルの不安定 地震活動が中程度、CO₂が1,000t/日超、わずかな温度上昇 熱水性・構造性の活動。爆発は予告なく起こりうる
2 不安定の増大 地震活動の上昇、群発地震、CO₂放出の顕著な増加 浅部熱水系の不安定化。爆発リスク上昇
3 不安定の激化 地震活動の急増または急減、水蒸気噴火の開始 マグマ噴火が切迫。島内・危険区域からの避難が必要
4 危険な噴火が切迫 火山性地震が急激に激化、灰噴出、爆発的噴火の開始 強いマグマ水蒸気噴火が進行中
5 極めて危険 激しい爆発的マグマ噴火が進行、火砕流、火山津波 プリニー式噴火。広域で生命に関わる

レベル0でも「安全」ではない。タールもブルサンも、レベル0〜1の状態から前触れなく水蒸気爆発を起こした実績がある。観光でクレーターに近づく際の判断材料として、レベル数値だけを見るのは危険。

各火山には PDZ(Permanent Danger Zone/恒久的危険区域) が設定されており、マヨンは 半径6km。レベルにかかわらず立入禁止が原則。

4.3 主要火山

ピナトゥボ(Pinatubo/サンバレス・タルラック・パンパンガ州境)

ピナトゥボは噴火前、600年間噴火記録がなく「活火山」と広く認識されていなかった。「活動記録がない=安全」ではないことの代表例。

タール(Taal/バタンガス州、マニラ南方約50km)

タール噴火の死者の大半は噴火そのものではなく避難過程で生じている。防災上の教訓としてここを外さないこと。

マヨン(Mayon/アルバイ州)

2026年に長期噴火。時系列(Inquirer.net、PNA、Manila Bulletin、ABS-CBN報道):

日付 出来事
2026/1/1 警戒レベル2
2026/1/6 レベル3へ(マグマ噴火の開始)。当初約1,000世帯が避難
2026/5 噴火と降灰で 10万2千人超が影響、被災者は約20万人に接近。政府が長期対応を準備
2026/7/13 溢流型(effusive)噴火が189日連続。ストロンボリ式活動、溶岩流、火砕密度流が継続
2026/7/18 レベル3維持(PNA)
2026/8/5 レベル2へ引き下げ(Inquirer.net、Philippine Information Agency)
2026/8/6〜7 避難者の帰宅開始、州知事が避難所の閉鎖を指示

降灰はギノバタン、カマリグ、リガオなどに及び、132校が影響を受け、水道への影響も報じられた。

カンラオン(Kanlaon/ネグロス・オクシデンタル州とネグロス・オリエンタル州にまたがる)

英語版Wikipediaは「2026年7月時点でレベル3」と記載するが、2026年8月22〜24日の複数のフィリピン報道は レベル2 としている。Wikipediaの現在状況記述は更新遅れがあるため、火山の現行レベルは必ずPHIVOLCSの日次公報か直近報道で確認すること。

ブルサン(Bulusan/ソルソゴン州)

2026年の推移(PNA、Inquirer.net、Manila Bulletin、GMA Network):2/7にレベル1→0へ引き下げ → 3/2に地震活動急増 → 3/17にPHIVOLCSが水蒸気噴火の可能性を警告 → 3/22にレベル1へ再引き上げ → 5/20に24時間で400回超(一部報道は440回超)の火山性地震 → 7/28時点でレベル1維持

4.4 2026年8月25日時点の火山警戒レベル(要約)

火山 レベル 根拠
マヨン 2(8/5に3から引き下げ) Inquirer.net/PIA, 2026/8/5
カンラオン 2(多量の降灰継続、8/24休校) GMA Network/Daily Guardian, 2026/8/22〜24
タール 活動継続(8/15に74回の地震) Inquirer.net, 2026/8/15
ブルサン 1 Manila Bulletin, 2026/7/28

火山警戒レベルは日単位で変わる。この表は2026年8月25日時点のスナップショットであり、実務では必ずPHIVOLCSの当日公報を確認すること。


5. 防災体制

5.1 RA 10121(フィリピン災害リスク削減管理法・2010年)

正式名称:Philippine Disaster Risk Reduction and Management Act of 2010。2010年5月27日承認、官報等への掲載15日後に発効(lawphil.net 原文)。

NDRRMC(National Disaster Risk Reduction and Management Council) の構成:

役職 担当省庁 所管する4つのテーマ領域
議長 国防長官(DND) 全体統括
副議長 内務自治長官(DILG) 災害への備え(Preparedness)
副議長 社会福祉開発長官(DSWD) 応急対応(Response)
副議長 科学技術長官(DOST) 予防・緩和(Prevention & Mitigation)
副議長 NEDA長官 復旧・復興(Rehabilitation & Recovery)

日本と違い、防災の司令塔は「国防省」である(実務事務局はOCD=Office of Civil Defense)。日本の内閣府防災に相当する組織を探すと迷う。

LDRRMF(地方災害リスク削減管理基金):地方自治体(州・市・町)は通常財源の推定歳入の5%以上を積み立てる義務。このうち 30%が即応基金(Quick Response Fund, QRF)。国レベルのNDRRM基金も 30%がQRF に充てられる。

「5%」は推定歳入に対する比率であって、予算総額の5%ではない。 また、この5%は上限ではなく下限(not less than)

(2026-08-26 改正確認で修正)旧記載「残る70%は備え・緩和など長期対策」は誤り。RA 10121 第21条は残余70%の使途をそう限定していない。同条はLDRRMF全体の使途を「災害リスク管理活動」と広く定め、事前準備(訓練・救助資機材・物資・医薬品の購入等)・災害後活動・災害保険料の支払いを例示する。本資料群「02_分野別資料/11_災害・環境・気候/基礎資料」が2026-08-23に同じ誤りを訂正済みで、本稿が未反映だった。出典:LawPhil ra_10121_2010.html 第21条原文

5.1-2 RA 12287(切迫災害事態宣言法・2025年)── RA 10121 を補完する新法

2026年8月時点で RA 10121 本体を改正した法律は存在しない。ただし2025年に、RA 10121 の枠組みを前提とする新法 RA 12287 が成立した(2026-08-26 改正確認。これ以前の本資料群には記載がなかった)。

項目 内容
正式名称 An Act Establishing a Mechanism on the Declaration of State of Imminent Disaster, Providing the Criteria for Its Declaration and Lifting, Enabling Anticipatory Measures, and Appropriating Funds Therefor
短縮名 Declaration of State of Imminent Disaster Act(第1条)
承認 2025年9月12日
何が新しいか 従来の「災害事態宣言(state of calamity)」は被災後の宣言だが、本法は発災前の「切迫災害事態(state of imminent disaster)」を宣言し、避難・資機材事前配置・社会扶助などの先行行動(anticipatory action)を可能にする
定義 第3条(c)=「予報と事前災害リスク評価に基づき、破局的影響が予測される蓋然性の高い災害を見越して行う宣言」。第3条(e)=「Imminent Disaster = 深刻な影響が予測される蓋然性の高い災害」
宣言権者 第5条。全国=大統領がNDRRMCの勧告に基づき宣言。地方=地方首長が地域DRRM評議会の勧告に基づき宣言
リードタイム 最低3日(最大5日まで延長可)の猶予を前提に先行行動を実施
RA 10121 との接続 RA 12287 は RA 10121 を「改正」する形式をとらない独立法。ただし第10条が RA 10121 第21条(LDRRM基金)を、第12条が RA 10121 第19条(禁止行為)を参照して接続する。「RA 12287第10条」と「RA 10121第21条」を混同しないこと

出典:LawPhil lawphil.net/statutes/repacts/ra2025/ra_12287_2025.html 原文(r.jina.ai 経由、2026-08-26 取得)/LawPhil 2025年RA索引「September 12, 2025」

5.1-3 RA 12076(避難所設置法・2024年)── もう1本の補完法

2026-08-26 改正確認で新規追加。本資料群にこれまで記載がなかった。

項目 内容
正式名称 An Act Establishing Evacuation Centers for Every City and Municipality, and Appropriating Funds Therefor
通称 Ligtas Pinoy Centers Act
承認 2024年12月6日
要点 全市町村に常設避難所を建設(学校・体育館の「間借り」からの脱却が狙い)。構造は風速300 km/h の超大型台風・マグニチュード8.0以上の地震に耐えること。就寝区画・衛生設備・炊事場・保健ステーション・女性/子どもに配慮した空間・非常用電源・通信設備を法定
立地 MGB/PHIVOLCS/PAGASA のハザードマップに基づき危険域から距離を取る
実施 建設は DPWH、設計最低基準は NDRRMC が国家建築基準(PD 1096)と整合させて策定。施行細則は施行後90日以内
RA 10121 との接続 RA 12076 も RA 10121 を「改正」する形式をとらない独立法。RA 10121 が作った NDRRMC の枠組みの上で動く。「RA 12076 の条」と「RA 10121 の条」を混同しないこと

出典:LawPhil lawphil.net/statutes/repacts/ra2024/ra_12076_2024.html/最高裁 e-Library 収録題名。条文の逐条確認は未了=一部一次資料未到達

5.1-4 「災害復元省(DDR)」は2026年8月時点で存在しない

RA 10121 本体を改正した共和国法は2026年8月26日時点で確認できない。Department of Disaster Resilience(DDR)創設法案は第20議会でも係属中(HB 8483/HB 8962 ほか)で未成立。2023年4月30日の EO 24(災害対応・危機管理タスクフォース DRCMTF)行政命令であって法律ではなく、NDRRMC の機能重複が指摘されている(2026-08-26 改正確認。出典:下院法案PDF docs.congress.hrep.online/legisdocs/basic_20/HB08483.pdf・同 HB08962.pdf/Google News RSS 収集見出し)。

5.2 2026年の課題

(1) 治水事業汚職スキャンダルの余波

2025年に表面化したDPWH(公共事業道路省)の治水(flood control)事業をめぐる大規模汚職は、2026年の防災財政を直撃している。

日付 内容 出典
2025/8/14 治水予算に 717億ペソ の削減提案 Philstar
2025/9/3 汚職による経済損失を最大1,185億ペソと財務省(DOF)が試算 Rappler/DOF
2025/9/17 国内財源の治水事業2,520億ペソ分を2026年度予算案から削除 Rappler
2025/11/17 「汚職が気候レジリエンスを毀損している」と分析 New Mandala
2026/1/5 2026〜28年の経済成長目標を汚職の影響で下方修正 Rappler
2026/5/20 新予算担当相が「治水スキャンダルの再発を防ぐ」と表明 Inquirer.net
2026/6/11 2026年度予算のうち 1,800億ペソ超 を即応・復旧に配分 PTV News
2026/8/11 DPWHが2027年度に治水事業として 1,074億ペソ を要求 Rappler

「予算が付いている=防災インフラが機能する」ではない。 2025年のセブ地震(教育分野含む被害126.9億ペソ)や台風ティノのセブ大洪水は、汚職スキャンダルの渦中に起きた。 治水予算の大幅削減は短期的には浸水リスクを高める方向に働く。事業所立地・BCPの検討では、行政の治水計画を額面通りに受け取らないこと。

(2) 中東紛争(2026年2月28日〜)の影響

時期 指標 出典
2026年3月 インフレ 4.1%(20か月ぶり高水準)、原油ショックが主因 Inquirer.net/Rappler(4/7報道)
2026年4月 インフレ 7.2%=37か月ぶりの高水準 GMA Network(4/24)/Rappler・Manila Bulletin(5/5)
2026/4/23 BSPが政策金利を 4.5% へ引き上げ Rappler/Daily Tribune
2026年6月 インフレ 6.4% へ小幅鈍化(ガソリン価格の落ち着き) Manila Bulletin(7/7)
2026/7/30 中東紛争で 都市部住民86,000人が追加で貧困層に転落しうる Manila Bulletin
2026/8/4〜7 汚職と中東紛争が成長を鈍化させた(世界銀行)。Q2成長率 2.3% 世界銀行/GMA Network
2026/8/21 インフレは2026年を通じて 6%超で推移する可能性 Philippine Canadian Inquirer

災害復旧の観点での含意:①燃料高で救援輸送・発電機稼働コストが上昇、②建設資材と輸送費の高騰で住宅再建単価が上がり、サランガニ地震やティノ被災地の復興が遅延しやすい、③金利上昇で自治体・企業の復旧投資が抑制される、④エルニーニョ(2026年5月時点で発生確率79%)と紛争長期化が重なり物価高が長引くとBusinessWorld(7/10)が報じている。

中東は OFW(海外フィリピン労働者)の主要就労先でもあるが、本調査で到達できた報道の範囲では 2026年の中東からの送還者数の具体的な数値は未確認


6. 実務者向けチェックリスト

項目 確認先 頻度
台風進路・TCWS PAGASA(bagong.pagasa.dost.gov.ph) シーズン中は日次
雨量警報(黄・橙・赤) PAGASA 大雨時は随時。TCWSより雨量警報の方が死者に直結
火山警戒レベル PHIVOLCS 日次公報 該当地域は日次
地震・津波情報 PHIVOLCS 発災時
被害・避難情報 NDRRMC Situational Report(2026年8月時点でCloudflareにより自動取得が困難) 発災時
自治体の休業・休校 各LGU、大統領府 発災時

立地判断のポイント: 1. 西バレー断層の地表トレース(PHIVOLCS "FaultFinder" で確認可能)を跨いでいないか 2. 河川・低地・埋立地の浸水履歴(1991年オルモックの教訓:上流の土地利用が決定的) 3. 高潮リスク(東サマール〜レイテ湾のような、湾奥・浅い大陸棚が集まる地形は特に危険。ヨランダのタクロバンで5.2m) 4. 火山PDZ(マヨンは半径6km)と主風向の降灰域 5. 連鎖災害への耐性(2025年11月のティノ→ウワンのように、5日間隔で次が来る)

最後に、数値引用の作法:NDRRMC確定値/報道集計値/推計シナリオ値の3種を必ず区別すること。本稿でも、サランガニ地震の死者は「81人+不明31人(NDRRMC, 6/26)」と「92人(MindaNews, 7/5)」で異なり、「ビッグワン」の3万人超は2004年MMEIRSのシナリオ推計である。


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